2015年 ザ・メモリアルトーナメント

打球事故でギャラリーが流血 松山英樹の動揺

2015/06/07 08:48
アイアンショットがギャラリーの頭部を直撃。心配そうな表情で事態を見守る松山英樹

オハイオ州のミュアフィールドビレッジGCで開催中の「ザ・メモリアルトーナメント」3日目。大会連覇を狙う松山英樹が、ギャラリーの打球事故のアクシデントに見舞われた。

後半11番(パー5)、松山は残り229ydの第2打で、ロングアイアンを握り2オンを狙った。右サイドに飛び出たミスショットは、グリーン右手前のロープ最前列にいたギャラリーの額を直撃。うずくまった白髪の男性は、頭部の左から血を流し、すぐに人だかりができた。

救急隊員が呼ばれるなど、動揺した表情を浮かべる松山の周囲は騒然。同組で1mのパーパットを残していたジム・フューリックに、待たせていることを詫びたが、「お客さんの体を最優先に考えるべきだ。僕はずっと待っている」と約13分間、事態を見守った。

ひとまず無事が確認され、男性がタオルで傷口を覆ったまま観戦用の椅子に座ると、松山はグローブにサインを入れてプレゼントし、プレーを再開。騒動の最中にボールが別のギャラリーに踏まれていたため、ドロップした後のアプローチをピンそば1.5mにつけてバーディを決めた。松山はカップからボールを拾い上げるなり、再び男性のもとに駆け寄り、再びサインを入れて手渡した。

男性はその後、カートで向かった救護室で検査を受けたが、幸いなことに軽症で済んだ。傷口を針で縫う治療やMRI検査も不要で、歩いてコースを後にしたという。

その後のラウンド中、チームスタッフから、大事に至らなかった報告を受けた松山だったが、同ホールでのバーディについて「そうですね…そこは良かったと言えばいいのか分からない…そのあと、しっかりスコアを伸ばせてよかったと思います」と、かすかに目を潤ませて力なく話した。

2年連続優勝がかかる最終日は、通算10アンダーの5位タイから、単独首位のジャスティン・ローズ(イングランド)との差5ストロークを追いかける。(オハイオ州ダブリン/桂川洋一)

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