2015年 RBCヘリテージ

99試合分の鬱憤晴らす雄叫び!フューリックの近くて遠かった17勝目

2015/04/20 10:54
もの静かな男フューリックの激情は、勝利のなかった5年間の長さを物語った(Matt Sullivan/Getty Images)

控えめな笑顔に徹し続けた男が、最後に雄叫びを上げた。サウスカロライナ州のハーバータウンGLで開催された米国男子ツアー「RBCヘリテージ」最終日。ジム・フューリックが通算18アンダーの首位タイで並んだケビン・キスナーとの2ホールにわたるプレーオフを制して5シーズンぶりのツアー勝利を飾った。

首位と4打差の5位からスタートしたフューリックは、序盤2番(パー5)の第1打でトラブル。ティショットを右サイドの木に当て、190ydほどしか距離が出なかった。「雨が嫌いなんだ。グリップが気持ち悪かった」。しかしフェアウェイにレイアップした2打目から丁寧にショットをつなぎ、3オン1パットのバーディを決めると、スイングが安定し始めた6番から4連続バーディで一気に浮上した。

インで2つスコアを伸ばしクラブハウスリーダーとなってホールアウト。プレーオフでは1ホール目の18番、2ホール目の17番(パー3)でいずれも3m前後のバーディパットを沈め、力強くガッツポーズした。

「最後にカップにボールが消えてエキサイトしたのは、うっ憤が溜まっていたから」

フューリックは2010年に、同大会と最終戦「ザ・ツアー選手権byコカ・コーラ」を含む年間3勝を挙げ、フェデックスカップ王者となったが、翌年からは惜敗だらけ。12年の「全米オープン」は最終日終盤に失速して4位。同年の「WGCブリヂストンインビテーショナル」で2位、翌年「全米プロゴルフ選手権」で2位。昨年はフェデックスカップポイントランキング4位でシーズンを終えたが、2位が4試合もあったせい。通算17勝目は近くて遠かった。

それでも信念は揺るがなかった。「ここ3年はずっといいプレーができていたから。絶対に僕はまた勝つんだと信じるほかなかった」。この大会の初日は18ホールすべてパーで終えていたが、ショット巧者有利のコースへの相性の良さを信じて疑わなかった。

1995年に初勝利を挙げて以降、キャリアでこれほど優勝までの期間が長かったの初めてのこと。最後に勝ってから、今大会がちょうど100試合目だった。

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