ウッズ連日の60台で5位浮上 遺恨の相手・ガルシアとの同組は
ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催されている今季のメジャー初戦「マスターズ」。不振から2カ月ぶりのツアー復帰となったタイガー・ウッズは3日目に6バーディ、2ボギーの「68」をマークして通算6アンダーの5位タイに浮上した。
首位のジョーダン・スピースとは10打差でムービングデーを終え、逆転優勝は厳しくなったが、表情は決して暗くない。「もう少しパットが入ってくれれば6アンダー、7アンダーというスコアも出ただろうけど」とウッズ。2アンダー19位タイからのスタートで、2番(パー5)から3連続バーディ。3番では残り67ydの打ち上げの第2打がカップをなめ、続く4番(パー3)は第1打でピンそば20㎝につけるスーパーショットを披露した。
渾身のガッツポーズが飛び出したのは後半13番(パー5)。1Wショットを左の林に打ち込んだが、2打目でフェアウェイに出し、残り174ydの3打目をピン左奥4mにつけた。軽いスライスラインを読み切ってバーディを決め、アーメンコーナーの終わりでパトロンの狂騒を呼んだ。
「感覚が戻り始めている。ショットの距離感がよくなってきた。このコースはどのライも平らではないから、本当に難しいコースのひとつ。自宅のある、フラットなフロリダとは違うよね。こういった平らではないライから打つ良い感触も感じ始めたところ」。初日「73」から2日目「69」。そして「68」。日を追うごとによくなるスコアに満足感も浮かべた。
ところでこの日は、2サムでの組み合わせにも、にわかに注目が集まっていた。一緒にプレーしたのはセルヒオ・ガルシア(スペイン)。2人は周囲から「不仲」と、ささやかれる関係性にある。
問題となったのが、2013年の米ツアー「ザ・プレーヤーズ選手権」3日目。ガルシアはショットを放つ直前、待機していたウッズの動きに反応した大ギャラリーの影響で、ミスをしたと主張した。ウッズに同組選手への配慮を求める発言をし、その後は別の場所で、人種差別的な言葉を吐いて騒動を大きくした。
ガルシアは同年ウッズに謝罪したが、前日に同組でのプレーが決まり、ガルシアは周囲の喧騒を気にしてか、その夜に自身のツィッターで「遅かれ早かれこうなるよね。ウッズとあしたは同組だけど、心配しないで。僕らは大丈夫」と投稿。さらにこの日の朝になって「ウッズと僕はすごく仲がいい友達じゃないけど、互いをリスペクトしてるし、きょうだって同じ」とつづった。
ガルシアはラウンド後、ツィッターのメッセージについて「みんな、物事を悪い方に、僕らのことも大げさに捉えるからね」と説明。ラウンド中も「ナイスショット」「ナイスパット」と声を掛け合い、終盤には2人で会話をしながらプレーするシーンも。「僕らはもう問題ないと思っているし、きょうはみんなそう見えたんじゃないかな」と話した。
ウッズは最終日、世界ランキング1位のロリー・マキロイ(北アイルランド)との2サムでプレーする。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)