「終わってます」の初日から…松山英樹、1打差4位フィニッシュ
終わってみれば、プレーオフにはわずか1打届かないだけだった。カリフォルニア州のリビエラCCで開催された米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」最終日。1アンダーの19位タイから出た松山英樹は6バーディ、2ボギーの「67」をマークし通算5アンダーの4位タイでフィニッシュした。
分厚い雲から時折落ちる冷たい雨粒。松山は不安定な天候にも動じず、重厚な安定感のあるラウンドを展開した。出だし1番(パー5)でバーディを先行させた後、エンジンがかかったのは最終組がプレーを開始した中盤。上りの6mを流し込んだ6番(パー3)をバーディとすると、続く7番では2打目をピンそば2mにつけて2連続とした。
「優勝争いをするためにはきょう6アンダー、7アンダーが必要と分かっていた」。首位と7打差からのティオフにも気持ちは萎えていなかったという。「トップが(通算)7アンダー、8アンダーを行ったり来たりしていた。ちょっと頑張れば“ある”かな…と思ったんですけど…」。グリーンが例年以上に硬く締まった難コース・リビエラCC。リーダーボードに鋭く視線を送り続けた。
14番(パー3)で下りのファーストパットを2.5mオーバーさせて3パットボギーを叩いたが、終盤も見せ場を作った。17番(パー5)ではフェアウェイからの2打目を3Wで狙い、4日間で初めて2オンに成功。18番は残り157ydをスピンで止めてピンそば60センチにピタリ。2連続バーディを確実にするスーパーショットが炸裂すると、強いにわか雨と大歓声が降ってきた。
「終わってます」と初日に酷評したショットの状態は徐々に復調。「初日に比べればミスの内容が変わってきた。もう少し練習して何か掴むものがあれば、もっと高いレベルでプレーできる」。胸を張ったのは、依然本調子とは言えない中でも“命取り”になるようなトラブルを回避し続けたこと。「今週はダブルボギーを打っていない。ミスの傷口を拡げないようにすることが、こういう難しいコースだと大事になってくる。そういう意味ではすごく頑張れた」。優勝争いの激しいプレッシャーは今週、感じられなかったかもしれないが、我慢の結果はフェデックスカップランキング、世界ランキング上昇にもつながる。
次週から舞台は東海岸に移る。ロリー・マキロイ(北アイルランド)ら欧州勢も本格的に加わり、戦いはいっそう熱を帯びる。フロリダに集結する強豪たち。松山も無論そのひとりだ。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/桂川洋一)