2015年 ノーザントラストオープン

一時は上位進出も…松山英樹 3連続ボギーを招いた「欲」

2015/02/22 08:07
13番で第2打を放ち、不満そうな表情を見せた松山

カリフォルニア州のリビエラCCで開催中の米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」3日目。イーブンパーの26位タイから第3ラウンドを開始した松山英樹は11番(パー5)までに4バーディを奪いながら、直後に3連続ボギーを叩き「70」(パー71)。通算1アンダーの19位タイで最終日を迎えることになった。

本調子に及ばないショットを考えれば、及第点を出せる1アンダーのスコア。しかし前半は破竹の勢いを見せていただけに、そうはいかなかった。出だし1番(パー5)、3番といずれも2m前後のチャンスを活かしてバーディ。「昨日、一昨日よりもストロークが良くなった」というパットに支えられて危なげないプレーを見せ、11番(パー5)で3打目をピン奥1.5mにつけて4つ目を決めた。

同組のベ・サンムン(韓国)と競い合うようにスコアを伸ばし、暫定5位まで順位を上げたが、後退したのはその直後の12番だった。3日間を通じて最も難度の高いホールで、332ydのビッグドライブを見せフェアウェイ左サイドを捕えたが、2打目はグリーン右のラフへ。「なんでもないショットなんですけど…ミスをしてしまった」。続くアプローチはグリーンに乗っただけ。初めてボギーを叩くと、続く13番でもフェアウェイから140yd余りの2打目をチャンスにつけられず、8mから3パット。さらに14番(パー3)はティショットでグリーンを大きく右に外し、3連続ボギーであっという間に後退した。

松山がラウンド中の精神面の揺らぎを悔いるのは珍しい。「欲がね…スコアを伸ばしていて『もっともっと伸ばしたい』『いい場所から打っているから伸ばしたい』という気持ちが入ってミスが出てしまった。12番のティショットは思ったよりも飛んで『難しいホールでバーディを獲れる良い機会だなあ』と、そんな欲ばかり出していた」

14番(パー3)も右からの風を感じてグリーン右のエッジを狙い、ピンに近いサイドに外してトラブルを招いた。「調子が悪い分、ああいうミスショットが多くなる。ミスをする方向を考えて打たなければいけないのに、バーディを獲りたいという欲が出た」。状態が良くないにも関わらずスコアが順調に伸びたことで、判断力が鈍った。

トップのレティーフ・グーセン(南アフリカ)との差は7ストロークに。「パッティングが良くなっているので、チャンスが多く作れれば、ビッグスコアも出せる。チャンスはなくもない。優勝は無理でも、それに近いくらいの順位で終わりたい」。不振の中で発見したわずかな狂いを糧にする。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/桂川洋一)

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