2015年 ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ

ベ・サンムン 「マスターズ」出場に兵役の壁?

2015/01/08 13:41
日本人には馴染みの薄い兵役義務だが、当事者にとっては人生を左右する大きな問題だ

2011年の日本ツアー賞金王で現在は米ツアーでプレーするベ・サンムン(韓国)が、兵役のため、今年の「マスターズ」出場を危ぶまれる事態になっている。べは昨年12月初旬に韓国兵務庁に対して、徴兵延期による国外旅行許可申請を行ったが、同月29日に不可通知を受けたという。

7日までに韓国メディアが報じた内容を総合すると、韓国では原則的に19歳から29歳までの男性が徴兵対象となり、2年間の兵役につくことが義務とされている。今年6月の誕生日で29歳となり、まだ兵役を終えていないベは、2012年から米ツアーでプレーし、13年には米国永住権を取得。その後米国に1年間居住したことをもとに、「国外旅行期間の延長」が可能と主張する陳述書を韓国国民権益委員会に提出したという。

べは昨年10月に開催された2014-15シーズンの開幕戦「フライズドットコムオープン」で、米ツアー通算2勝目となる優勝を果たし、2015年「マスターズ」や今週9日開幕の「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」などへの出場権を獲得している。

朝鮮日報は「先月で米国のビザ期限が切れたベ・サンムンは兵役法に違反しないよう、30日以内の1月中に韓国に戻り、入隊手続きを済ませなければならない」。聯合ニュースは「国外旅行許可が下りない場合、ベは帰国し入隊するか、韓国国籍を放棄し米市民権を申請するかの選択を迫られることになる」と報じている。

ヒュンダイトーナメント練習日の7日、会場のプランテーションコースatカパルアで調整中のべを直撃すると、「マスターズは全然大丈夫です」と事態を悲観した様子はない。「手続きに時間が掛かるから、今年くらいは大丈夫。でも、来年の(リオデジャネイロ)オリンピックは分からない」と話した。現在のオリンピックランキングでは、ベとノ・スンヨルが韓国代表の座を占めている。(ハワイ州カパルア/今岡涼太)

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