浮上の松山英樹「今年一番入った」 同伴競技者にギャラリーの暴挙
グリーン上で自信に満ちた眼つきが、本格的に戻りつつある。中国のシェシャンインターナショナルGCで開催されている世界選手権シリーズ「WGG HSBCチャンピオンズ」2日目。2オーバーの42位タイから出た松山英樹はパッティングが冴えて5バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算1アンダーとして21位タイに浮上した。
「ショットは全然ダメ。話にならない」。フェアウェイを、グリーンをとらえても、頭にはイライラが募るばかりだった。出だし1番から1Wショットを右ラフに入れてボギー発進。ただこの不調も、そして初日の出遅れも、パターが取り戻してくれた。
2番(パー5)で7m、3番で4mといずれも下りのラインを沈めて連続バーディ。3mを沈めた8番(パー5)ボギーのピンチを切り抜けると、続く9番は右から8mのバーディパットを流し込んだ。
「あれだけ入ってくれればすごく楽。本当に今年1年で、一番入ったかなと思うくらい入ってくれた」。たまたま、ではない。手には確信めいたものがある。「いい感じでストロークが今日もできた。これだけ(好調が)続いているので、崩れないように練習したい」。後半14番(パー5)でフェアウェイからの第2打をグリーン手前の池に入れてボギーを叩いたが、最終18番(パー5)で3m弱のチャンスをものにし、大歓声に手を上げて応えた。
つとめて冷静にプレーを続けた松山だが、ロープの外にはこの日も一部の悪質なギャラリーの姿があった。後半11番、同組のハンター・メイハンが放ったティショットが左ラフに転がると、男性客がそのボールを蹴り、走って立ち去るという暴挙が発生。規則にのっとり、2打目はもとにあったポジションに戻されてプレーは再開したが、人気ペアリングの周囲の喧騒は初日から変わらない。
2日連続で「67」で回ったトップのグレーム・マクドウェル(北アイルランド)と松山とは9打差にひらいた。「差はだいぶある。Gマックはこのコースとの相性がいいと思うし、6アンダー、7アンダーと伸ばしていかないとチャンスはない。(岩田)寛さんも伸ばしている。60台を続けて出せるようにまずはショットを修正したいと思います」。ビッグスコアのカギはまずロングゲームにある。(中国・上海/桂川洋一)