パー4で「8」石川遼は最下位発進 痛かった“早退”
米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ第2戦「ドイツバンク選手権」が29日(金)、マサチューセッツ州のTPCボストンで開幕。石川遼が屈辱の最下位でスタートを切った。後半12番のパー4で「8」を記録するなど、ショットに精彩を欠いて「78」(パー71)。7オーバーの93位に沈んだ。
痛恨の1ホールだった。後半11番(パー3)でグリーン右奥からのアプローチを寄せきれずにボギーとし、3オーバーにスコアを落として迎えた12番。ドライバーでのティショットは右サイドに大きくプッシュアウトし、広い右ラフの外にあるカート道で跳ね、ボールは茂みに入った。
サンドウェッジを強振して脱出を試みたが、土をえぐる重たい音だけを響かせ、ボールはさらに密集地帯の深くへ。結局アンプレヤブルを宣告し、4打目でフェアウェイに戻して5オン3パットの「8」。前週までのポイントランキング上位100位までの選手が出場権を手にした今大会(出場94選手)。レベルの高いフィールドゆえ、なお痛い“ダブルパー”となった。
前週「ザ・バークレイズ」では、荒れたショットを全選手中最少のパッティングでカバーし19位に入ったが、この日は出だし1番で1メートルのパーパットから「しっかり目に打つラインに対して打てなかった」とボギー発進。その後のストロークは納得いくものだったが「読みが当たっていない」と天を仰ぎ続けた。最終ホールでも先に打った同組のジャスティン・ヒックスのパットに惑わされ、1.2メートルのバーディチャンスを逸してホールアウトした。
開幕前の体調不良。その影響が間接的にも色濃く出た。水曜日は発熱のため、練習を午前中で切り上げて“早退”。午後は宿舎で静養につとめた。回復こそしたが、事前の練習ラウンドは火曜日の1ラウンドのみ。グリーン上での苦しみについて「ここ数カ月、読みで苦しむことはなかった。昨日も一昨日もコースを歩かず、その辺の“勘”だったかな」と言う。12番のティショットミスも「左にフックのミスならばまだライ的には良かった。右にいってはいけないホール。練習ラウンドでチェックしきれなかった」と、調整が不十分だった自分を責めた。
そして最も悔やむべきが、ドライバーショット復調の兆しを失ったこと。「良いスイングが全然できていない。先週掴みかけた部分があったが、一日練習しないで、自分の中で戻った感じがある」。予選落ちならば、次週の第3戦「BMW選手権」の出場権獲得に黄信号がともる。カットラインには5ストローク差で迎える2日目。「(1日)2アンダー、3アンダーという内容を目指してプレーしたい」と笑顔なく誓った。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)