諦めから一転 松山英樹がバーディ→イーグル締めで予選突破
崖っぷちにいた松山英樹が、残り2ホールでそのポテンシャルを爆発させた。54位で迎えた「全米プロゴルフ選手権」2日目。スコアを落として通算4オーバーの90位台と予選通過圏外にいた終盤に、17番でバーディ、最終18番(パー5)でイーグルを奪い、カットライン上の通算1オーバーに滑り込む69位タイで決勝進出を決めた。
それまでの16ホールは、予選落ちを予感させる苦しい内容だった。「ショット、アプローチ、パットとすべてが良くなかった」と、前半アウトだけで3つ落とし、通算3オーバーまで後退。6番ではフェアウェイからの2打目を大きくショートさせ、ダブルボギーもたたいた。「ハーフターンで(カットラインが)1オーバーと聞いていた」と、目標の数字は頭に入っていたが、15番のボギーでカットラインまで3打差。自身も「諦めかけていた」と弱気がよぎった、その矢先だった。
「何が要因か分からないけれど、17番で良いショットが打てた」と、2打目をピン右1.5メートルに絡めてバーディ。そして、予選通過にはイーグルが必須の状況で迎えた18番。ティショットをピンまで202ヤード地点のフェアウェイに運ぶと、4番アイアンで打った2打目はピン奥3.5メートルに2オン成功。これを沈めて起死回生のイーグルを奪い、力強いガッツポーズでギャラリーの大歓声に応えた。
「考えてもうまくいかないので、ミスしたら終わり、という気持ちで打った。それくらい無心で打った方が良いショットが打てるのかな」と振り返る、18番の2打目。とはいえ、ショットの状態はまだまだ信頼を置けるものではなく「このゴルフの内容では上位は望めない」と厳しい言葉も自身に投げかけた。「これから練習して、明日の朝も調整して、明日は良いスイングができるようにしたい」。その手に残った好感触が、明日からの逆襲への布石となるか。(ケンタッキー州ルイビル/塚田達也)