2014年 WGCブリヂストンインビテーショナル

2ダボも攻めた勲章 松山が見せた“男の熱意”

2014/08/02 08:40
スコアを1つ落としたが攻めのゴルフを貫く松山英樹

オハイオ州アクロンにあるファイヤーストーンCCで行われた「WGCブリヂストンインビテーショナル」2日目、松山英樹は5バーディ2ボギー2ダブルボギーの「71」と1つスコアを落として通算1オーバーの36位タイ。スコアは伸ばせなかったが、この日の18ホールには、ジリジリと照りつける陽射しに負けない“男の熱意”が満ちていた。

ここ2試合、2日目にスコアを落としていた松山だが、この日は出だしの1番からアクセルを踏み込んだ。「良しっていうショットではなかった」という1番の第2打だったが、左ラフから前方の木の葉を落としながらも1メートルにつけてバーディとすると、つづく2番(パー5)は残り242ヤードをユーティリティで2オン成功。2パットで2連続バーディとした。

迎えた3番では3Wのティショットを左ラフに曲げたが、松山はまだ攻めた。「普通に考えて、右(奥)のバンカーから(グリーン)センターくらいに打てれば最高のショットだけど、ライも思ったほど悪くなかったので、ピンの方にドローを掛ければチャンスに付くかなと思った」と、残り180ヤードに7Iを振りぬいた。

だが、強くフックの掛かった球は、グリーン手前にある池の左端にそびえる木に当たって右へと跳ね、池へと消えた。ドロップ後の4打目を3メートルにつけるも2パットのダブルボギー。「欲を掻いた。ああいうところでしっかり打てないのは、まだ自分のスイングがしっくり来ていないというのもあるし、あそこで欲を掻いちゃうというのはパッティングが良くないんだと思う」。

直後の4番で、残り171ヤードを「ゴー!」という掛け声と共にピン下1メートルにつけてバーディを取り返したが、奥の難しいバンカーから1メートルに寄せた5番(パー3)では、そこから3パットのダブルボギー。懸念は現実のものとなってしまう。

「(パッティングは)悪くはないけど、入らないので波に乗れない。何が原因か分からないけど、もっとストロークを安定させていければいいかなという感じ」。入るか、入らないか。その紙一重の境界は、プレーしている本人にも謎のままだ。

今週、同じフィールドで戦う丸山大輔は「距離もあるし、セーフティな方しか狙っていけない」と、コースのプレッシャーをひしひしと感じ、竹谷佳孝はトラブルになる前に堅実に刻む戦略で攻めている。だが、スコアを伸ばして上位で戦うには、ハイリスク、ハイリターンの険しい道を行くしかない。

その後は2バーディ2ボギーと落ち着きを取り戻し、決勝ラウンドへと希望は繋いだ。「ダボも、どうしようもないダボじゃなくてミスしてのダボ。ミスしなければスコアを出せると思うし、5バーディも獲れている。少しずつは良くなってきていると思う」。昨年のタイガー・ウッズに続いて、今日はセルヒオ・ガルシアが9アンダー「61」を叩き出した。松山が進む道の先にも、同じ境地が広がっているはずだ。(オハイオ州アクロン/今岡涼太)

2014年 WGCブリヂストンインビテーショナル