2014年 全米オープン

松山英樹は35位で終戦「勝つと思ってやることが大事」

2014/06/16 10:49
メジャーでの優勝争いは全英にお預け…松山は最後まで噛み合わせの悪さに泣いた

ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開催された海外メジャー今季第2戦「全米オープン」。松山英樹は最終日「74」とスコアを落とし、通算8オーバーの35位タイで4日間の戦いを終えた。

3日目に優勝争いから後退し、迎えた日曜日は出だしで躓いた。1番で第2打をグリーン右にこぼし、ウェッジ、パターでのアプローチがそれぞれ傾斜で足元に戻ってしまうミス。痛恨のダブルボギー発進とすると、続く2番もボギーを叩いた。

中盤は「ドライバー以外は良かった」というショットで、5メートル以内のチャンスを多く作ったが、傾斜の途中に切られたカップを攻めきれない。「良いラインについたけれど、タッチが合わなかった。グリーンの速さは変わらないと思ったが、オーバーしたりショートしたり…いまいち掴めないまま最後まで行ってしまった」。パット数は4日目にしてワーストの31。15番(パー3)で奪った唯一のバーディは、ティショットで2メートルに付けたもの。「このコースを攻略するだけの力が無い」と厳しく自己評価して締めくくった。

2週前「ザ・メモリアルトーナメント」で初勝利を飾り、PGAツアーチャンピオンとして臨んだ初のメジャー。冷静に試合に臨む姿は普段と何ら変わらなかったが、心境には確実な変化があった。

「メモリアルで勝った。あのフィールドで勝ったのだから、(メジャーで)勝てる力はある」

世界のトップランカーたちをねじ伏せて手にしたタイトルは、そのまま自信に変わった。「僕はメジャーで勝てると思っていますし、勝つと思ってやるのが大事だと思っている。結果が出なくても、一つずつやっていけばチャンスはある」

死にもの狂いで誰もが争うメジャーとなれば、そこでは実力以上の何かも勝負を左右する。運も絶対に必要な条件だ。マーティン・カイマー(ドイツ)は2位に8打差をつけて今大会を制した。圧勝には違いないが、松山自身、2月の「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」の1回戦で破った相手がそのカイマー。一定のレベルに達すれば、勝負はいつだって「紙一重」と言いたくなる。

ただ、それを「紙一重」の言葉だけで終わらせないのが、松山英樹が怪物たる所以。「練習しかない。練習でそこを埋めなければならない」と言い切った。1枚の紙ほどの差でも、それは埋めるべき差だ。

グリーンの落としどころが狭く、ショートゲームの出来が結果を大きく左右したパインハーストNo.2での戦いには敗れた。「全英オープンはこういう感じのコースが多いと思うんで。全英に行ったら、こういうシチュエーションをどう攻略するかがポイントになる」。その鋭い眼光は、早くも次のメジャーへと向いている。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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