2014年 全米オープン

序盤に躓き23位後退…松山英樹がいま考えていること

2014/06/15 10:02
調子を発揮をできないまま、松山は後半にさすがの粘り強さを見せたが、メジャー初制覇が遠のいた

ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開催されている海外メジャー第2戦「全米オープン」3日目。松山英樹は4バーディ、6ボギー、1ダブルボギーの「74」とスコアを落とし、通算4オーバーの23位タイに後退した。

5メートルのバーディパットを沈めた最終18番。西日を浴びた松山は、安堵感よりも悔しさをにじませた。予選ラウンドを独走した首位マーティン・カイマー(ドイツ)がこの日、ある意味では“思惑通り”にブレーキ。だからこそ、追撃に至らなかったムービングデーが口惜しかった。

「最初の方のホールが残念だった」。2番で2メートルのバーディパットがカップの左縁に蹴られてボギーが先行。続く3番でフェアウェイからアイアンで放った第2打は好感触ながらグリーン奥に転がり落ちた。砂地のカート道からアプローチに失敗し、5オン1パットのダブルボギー。6番までに5ストロークを落とした。

9番(パー3)のティショットも同様に、ドーム型のグリーン中央に着弾したボールが奥への傾斜を下って行く。「いい感じで打ったのが難しいところに落ちてしまった」。発したはずの大歓声を、口の中に引き戻そうとするギャラリーたち。パーを拾えず、後半も3バーディを奪いながら大きな挽回には至らなかった。

風は前日までとは逆の方角を中心にコース上を旋回。予選ラウンド2日間よりもドライバーを多く使ったが、「普段通りやろうとした」と追撃を焦ったわけではなかった。トップであろうが、メジャーでそう簡単に逃げ切れるはずがない。決心は固かった。それゆえ「距離感がずれて、大きなミスになってしまった」と、追い上げ不発の要因を自らのショット、アプローチ、パットの不出来だけに求めた。

昨年は最終日に大会ベストスコアに並ぶ「67」を叩き出し、39位から10位に順位を上げてフィニッシュ。翌年大会の出場権も手にしたが「去年のことはもう終わったこと。今日のことも終わったこと」と、1年前の達成感にすがる気はない。

「このコースであまり良いショットが打てていない。あと1日だけでも、自分のやるべきことができるように考えて一晩過ごしたい」。今あるのは、なんとしてでもコースを攻略したい一心だけだ。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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