2014年 全米オープン

メジャー制覇のカギ 松山英樹「見栄を張らない」

2014/06/12 08:36
いざ行かん 松山がメジャータイトル奪取へいよいよティオフ!

海外メジャーの今季第2戦「全米オープン」は12日(木)、ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開幕する。2週前に米ツアー初優勝を飾った松山英樹は10位に入った昨年大会に続く出場を果たす。

開幕前日の11日(水)は早朝から谷口徹とともにインの9ホールをプレー。前日までに既に45ホールをプレーしていたこともあり、この日は意図的に高弾道のボールを放ってグリーン上での止まり方をチェックするなど、柔軟に最終調整を施した。

初勝利を挙げた「ザ・メモリアルトーナメント」の最終18番でティショットを放った直後、地面にあった鉄の棒に当たってシャフトが折れてしまったドライバー。その代替品も、納得のいく1本を見定めた様子だ。「明日は(候補が)10本になっているかもしれないですよ。あとは試合で使ってみて、という感じ。折れないように気を付けます」。悪戯っぽくジョークも飛ばして、穏やかに明日を待った。

大会史上2番目の距離を誇る7,562ヤード、パー70のロングコース。ラフを短く刈り揃え、フェアウェイが広く取られた、今年の異色の世界一決定戦。それでも松山の調整法が自然と戦いのキーポイントをあぶり出している。

前日同様、ラウンド後はショートゲームを徹底練習。特にミドル、ロングパットのタッチに気を配った様子には理由がある。傾斜が激しい砲台気味のグリーンは、ショットに僅かなミスも許さない。「ピンを(全ホールで)狙って行ったら大変なことになる。狙っていかなくてはいけない時もあると思うけれど、ああいう風にパットが自然と長くなる。(アプローチとしてグリーンの)外からも打つことが多いと思う。そういうための練習です」。

天候などのコンディションも大きく左右しそうな今大会。他選手の動向の予想や、自分の目標スコアについては「全然、見えていない」と首をひねった。だからこそ「一打一打を無駄にしないでやるだけかなと思う」

リッキー・ファウラージョーダン・スピースといった地元米国の超人気選手との予選ラウンド同組は、周囲の期待の表れに他ならない。それでも松山は奢ることなく言った。「今の自分以上のことはできない。見栄を張らないように頑張っていきたい」。その等身大の実力が存分に発揮されれば、メジャー初制覇も現実となり得ることは米国ではもはや周知の事実だ。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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