2014年 全米オープン

7度目の正直は ミケルソンがキャリアグランドスラムへ

2014/06/11 11:49
思い出のパインハーストでミケルソンの背中には偉業達成の期待がかかる

名誉か、不名誉か。すべての始まりは、この場所だった。今季の海外メジャー第2戦「全米オープン」は12日(木)、ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開催される。優勝候補のひとりに数えられるフィル・ミケルソンは初の大会制覇、そして史上6人目のキャリアグランドスラム達成を狙う。

メリオンGCで行われた昨年、首位で出た最終日に逆転負けを喫しジャスティン・ローズ(イングランド)にメジャータイトルを譲ったミケルソン。大会史上最多の6度目の2位フィニッシュを遂げたが、その最初の2位フィニッシュとなったのが1999年。ペイン・スチュワートの伝説のガッツポーズで幕を閉じたパインハーストでの戦いだった。

当時はエイミー夫人が第1子出産間近で、惜敗翌日に産まれたその長女アマンダは現在、15歳になった。「ここは特別な場所だ。もちろんたくさんの深い思い出が残っている。時間が過ぎるのは早いものだよ」。しかしホールアウト直後にスチュワートからかけられた言葉は忘れようがない。「父親としての務めについて教わったけれど、いつか全米オープンを勝つ日のことを話した。あれからまだ1度も勝っていないのは事実だが、それを打破するには最高の場所だ」

昨年「全英オープン」初制覇を決め、ジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤージャック・ニクラスタイガー・ウッズに続く史上6人目のキャリアグランドスラムまではあと全米OP1勝。「これから先しばらくはチャンスが続くけれど、今回は確実な機会だ」。前週の最終日から、パターのにぎりをクロウグリップに変更し、調子は上々。シルバーコレクターとは、もう呼ばせない。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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