松山英樹 “折れた優勝ドライバー”のスペアは?
今季の海外メジャー第2戦「全米オープン」は12日(木)、ノースカロライナ州のパインハーストNo.2コースで開幕する。松山英樹は、ツアー初優勝を飾った2週前の「ザ・メモリアルトーナメント」以来の出場試合。オープンウィークとした前週4日(水)に当地に入り、練習を重ねている。
5日(木)には来週に同コースで「全米女子オープン」を控える有村智恵とのプレーも含め、9日(月)までに計2ラウンドの練習に時間を費やした松山。ラフが極めて短く設定され、フェアウェイ周辺を雑草地や砂地などが取り囲む、例年の全米オープンとは異なるセッティングでの勝負に向け、チェックに余念がない。
ところで、懸案事項として挙がるのがドライバーだ。「ザ・メモリアル」の最終日、正規の最終18番でティショットを放った直後、松山の下ろしたドライバーはティグラウンド上の鉄の棒に当たり、シャフトが折れてしまった。ケビン・ナとのプレーオフでは、結局3番ウッドでティショットを放ち、勝利を掴んだ。
そしてこのメジャーを戦うにあたり、ダンロップスポーツのスタッフとの細かい調整が続いている。実際に折れたシャフトが入ったドライバーのヘッドは保管し、かねてから愛用してきた同じヘッド「スリクソンZR-30」のスペアに、グラファイトデザインの同シャフト「ツアーAD DI」シリーズを組み合わせたはいいが、これが一筋縄ではいかない。
アドレス時のクラブヘッドやフェースの見え方から打感、打球音にも強いこだわりを持つ“感覚重視”の松山。どうしても個体差の出てしまうパーツを、ミリ単位で微調整しながら試しているが、なかなかOKを出せない。「使おうとしているものはあるけれど、まだ(1本に)決めてはいない」という開幕3日前だ。
念願の米ツアー優勝の喜びに浸ったのも、最終日の夜にささやかに祝った時だけ。「前週は普通に休めました。(体力面で)良い調整ができたかなと思う」。日本人史上初のメジャー制覇の夢に辿り着くため、後ろを振り返る気などさらさらない。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)