2014年 バルスパー選手権

スネーク・ピットを攻略 42歳のセンデンが8年ぶり勝利

2014/03/17 09:31
初優勝から8年を経てのツアー2勝目。J.センデンはグリーン上で喜びを噛みしめた(Sam Greenwood /Getty Images)

勝負の分かれ目はやはり“蛇の巣穴”にあった。フロリダ州のイニスブルックリゾートで行われた「バルスパー選手権」最終日。6アンダーの3位から出たジョン・センデン(オーストラリア)が「70」で回り、通算7アンダーとして逆転勝利を手にした。

最終組のロバート・ガリガスケビン・ナが中盤までに後退し、一時はトップから3打差以内に9人がひしめく混戦となった。15番(パー3)をボギーとしたセンデンは、3人が並ぶ5アンダー首位タイで終盤3ホールへ。コッパーヘッドコース名物の難関、通称「スネーク・ピット(蛇の巣穴)」に突入した。

16番、ティショットを右に大きく口を開ける池とは反対の、左の林に突っ込んだ。しかしボールの下に敷き詰められた枯れた松葉を粉砕したセカンドショットは、フックボールでグリーン手前へ。「打った瞬間いいショットだと思った。グリーンを狙えるいいポジションだって」。そして続く第3打、アプローチは「出来るだけ寄せなくてはいけなかったが、思い通りのボールになった」とカップの中へと消え、チップインバーディで単独首位に立った。

さらに17番(パー3)では、ピンの左から6メートルを沈めて2連続バーディ。センデンの後ろの組で最後まで追いすがったケビン・ナも、同じ17番でバーディを決めて再び1打差に迫ったが「ずっとリーダーボードを見ていた。18番で彼がパーを拾って、バーディが必要だと分かった」と“蛇の巣穴”を攻略したセンデンのプレーがプレッシャーを与えていた。ナは最終ホールでラフからのセカンドショットがフライヤー気味に飛び出し、ピン奥から10メートル以上のバーディパットを強いられ、プレーオフに持ち込むことはできなかった。

42歳のベテランは2006年「ジョンディアクラシック」以来、実に8シーズンぶりの勝利。昨年に続く「マスターズ」の出場権も手に入れ「今日までまったく考えられなかった。スケジュールを調整しないと」と喜んだ。「最近のツアーには素晴らしい若手が本当にたくさんいる。でも自分もまたきっとできると信じ続けていた」。

イアン・トリッグス、イアン・ベイカー・フィンチ、パット・オブライエンと様々なコーチとのセッションが結実。PGAツアーの2013-14年シーズンで初めての40代のチャンピオンになった。(フロリダ州タンパ/桂川洋一)

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