2014年 バルスパー選手権

理想の100分の1以下でも…石川遼は耐えて2009年大会以来の予選通過

2014/03/15 08:37
出だしの2連続バーディ以降は我慢の展開…石川のショットに対する悩みは尽きない

季節外れの寒さの中でスタートしたフロリダ州のイニスブルックリゾートで開催中の「バルスパー選手権」。2オーバーの70位タイで2日目を迎えた石川遼は2バーディ、3ボギーの「72」(パー71)で回り、通算3オーバーの64位タイ。なんとか決勝ラウンドに滑り込んだが、ショットに対し連日の不満を募らせた。

序盤の好スタートも、気休めにはならなかった。石川は出だしの1番(パー5)でフェアウェイを渡り歩き、3打目をピン左1.5メートルにつけてバーディ発進。続く2番では手前から5メートルを沈め2連続。だが、ショットへの不安と背中を合わせたプレーは前日と同じだった。

中盤に入ると4番、6番、10番、11番と3メートル以内のバーディチャンスを逸するなど、流れに乗りきれないイヤな展開。納得いかない表情ばかりでも、10番まではティショットがすべてフェアウェイを捕えていた。しかし「傾斜に切ってあるカップが多かった」と同伴選手もなかなかチャンスを決めきれず、息苦しさは増していく。

14番(パー5)ではドライバーショットが左に飛び出し、木に当たって飛距離はわずか130ヤード。それでも、なんとか4オン1パットでパーをもぎ取った。15番(パー3)では2メートル、16番は3メートル弱のパーパットを残したが、いずれもねじ込んでみせた。

しかし終盤、ついに息切れ。17番(パー3)では奥のピンに対し、ティショット直後の「Go!」の叫び声もむなしく、手前から20メートルの距離を残して3パットボギー。最終18番ではドライバーで再び左に曲げた。「いいスイングの時はああいう球は出ない。全部置きにいって曲がっている」。3オン2パットで、結局2連続ボギーフィニッシュ。「ショットの割にはスコアが良い。手応え?無いですね。毎日ちょっと違う気がします」と吐き出した。

「理想が100だとすると1…。いや、1もできていない感じがする。コース上で理想を求めてやろうとすると、とんでもなくなりそう。自分のやろうとしてることが、トライすらできていない」と自己評価はいつになく厳しい。

それでも粘った甲斐は確かにあった。同大会での予選落ちは4年連続をもってピリオドを打ち、明日は再び実戦での鍛錬ができる。「試合の中でしか学べないものがある。試合の中でアプローチ、パットは磨かれていく。ショットも練習場で良くても、それは身に付いたとは言えない。コースでできた、その一球が(体に)染み込んでいく」。最終日の出場選手制限(MDF)によるセカンドカットも気になるポジションだが、まずは土曜日の18ホールを無駄にはしない。(フロリダ州タンパ/桂川洋一)

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