松山英樹 終盤4ホールで逆転負け「勝負所で打てるか、打てないか」
アリゾナ州のダブマウンテンGCで開催中の世界ゴルフ選手権シリーズ「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」2日目。松山英樹は2回戦で2010年の「全米オープン」覇者、グレーム・マクドウェル(北アイルランド)と対戦し、終盤4ホールで逆転を許して1ダウンで敗れ、3回戦進出はならなかった。
初戦のマーティン・カイマー(ドイツ)に続き、連日のメジャー王者を相手にした松山は出だしから優勢にゲームを進めた。1番で4メートルを沈めバーディ発進すると、2番(パー5)ではグリーン左からチップインイーグル。いきなり2ホールを連取し、相手がバンカーからの脱出に2打を要した6番(パー3)を終えた時点で、3アップとリードした。
マクドウェルも4メートルのバーディパットを沈めた7番から応戦し、松山は2連続ダウンとするが、中盤はなかなかパットを決めきれないまま我慢を続け1アップをキープ。14番でマクドウェルが第1打を右サイドのバンカーに入れたのをきっかけにボギーを叩き、12ホールぶりにポイントを奪った松山が、2連勝を大きく引き寄せたかに思われた。
しかし、しかし2アップで迎えた残り4ホール。15番では松山がグリーン右手前からのアプローチを寄せきれなかったのに対し、マクドウェルの2メートル強のバーディパットが決まり1アップと迫られる。さらに17番、フェアウェイからの第2打をグリーン奥のラフにこぼした松山はボギーとして土壇場でオールスクエアとされた。
そして18番、先に第1打を放ったマクドウェルのボールはフェアウェイを捕えたが、松山の3番ウッドでのショットは、フォローの風に乗り300ヤード先のバンカーに。続く2打目は2段グリーンの奥のラフへ。「(第1打はバンカーまで)行ってしまったものは仕方がない。そこからオーバーさせた自分が悪い」。アプローチもカップが切られた下の段まで転がりきらず、結局ボギー以上が確定。パーを拾ったマクドウェルに白星をさらわれた。
「自分がミスをしたので仕方がないと思うし、ミスをしてもそのあとカバーできたマクドウェルが勝った。その差かなと感じた」。汗をぬぐい、4時間20分の戦いを振り返る。「(マクドウェルは)昨日も4ダウンから勝っている。そういう戦いになるのは分かっていた。素晴らしいショットを打つのが彼の実力。勝負所でしっかり打てるか、打てないかの差」。油断があったわけでは決してない。「ミスしないということが上手いし、そこは素直に負けを認めないといけない」と潔かった。
それでも「マッチプレーは年間にこの1試合しかない」とクールに語り、気持ちをすぐにストロークプレーのトーナメントに切り替える。次週「ザ・ホンダクラシック」を前に、フェデックスカップポイントを445点まで積み上げ、シーズン序盤戦での来季のシード権獲得にも前進した。「これでちょっとは余裕を持ってできる。自分の足りないところを突き詰めていきたいなと思います」。メジャー王者から2連勝とはいかなかったが、しっかりと爪痕を残し、戦いの舞台を東海岸フロリダへ移す。(アリゾナ州マラナ/桂川洋一)