谷原秀人は収穫満載の8位 再来週も米ツアー出場へ
強い日差しが照りつけたハワイのワイアラエCC。首位と3打差の6位タイからスタートした谷原秀人は、4バーディ3ボギーの「69」とスコアを伸ばし、通算10アンダーでホールアウト。首位と7打差の8位タイで大会を終え、2週間後の「ファーマーズインシュランスオープン」(カリフォルニア州・トーレパインズGC)の出場権を手に入れた。
2番で7.5メートルをねじ込みバーディ先行させた谷原だったが、この日はフェアウェイキープが14ホール中6回と、ショットのばらつきが目立つ苦しい展開。前半こそ2つ伸ばしたが、後半の11番、13番と2つのボギーで首位の背中は遠くに霞んだ。
ホールアウト後は「良くはなかったけど、よく耐えたという感じ」と額の汗を拭った。暴れるショットとともに、グリーン周りの慣れないティフトン芝にも手を焼いた。「ロフトのあるクラブで打たないとダメなのかな?」。
それでも、グリーン上では4日間を通して3パットなし。パットのスコア貢献率でも4日間を通じてトップの好調ぶりだった。「相当自信になりますね」。日本のパット王は、米ツアーでも健在だった。
成績以上に収穫の多い試合となったことは間違いない。今週取り組んでいた限界までフックグリップにするスイング改造。「こっちにきて、改めてこんなにフックグリップが多いのかと思った」と、米ツアーの現状を目の当たりにし、最終日に同組で回ったザック・ジョンソンを見て、「同じだった」と改めて確信した。
「すごいフックグリップで軽いドローを打っていた。目の前で見られたのでよかったです。あれぐらいの精度にしたいですね」。精密なショットを武器に「マスターズ」を制したジョンソンの技術を肌で感じ、谷原のビジョンは鮮明になった。
前週までの世界ランクは94位。世界ランク50位以内に入ってくれば、海外メジャーへの道筋も見えてくる。「特に考えてはないっすよ」と笑う谷原だが、今年の「全英オープン」は06年に5位タイに入ったロイヤルリバプールがその舞台。「思い出の地だし、行きたい思いはありますよ」。
まずは2週間後が次のチャンス。常夏のハワイで戦った2014年初戦が谷原の闘志に火をつけた。(ハワイ州ホノルル/今岡涼太)