谷原秀人&石川遼 世界一狙う日豪混合カルテット
「ISPSハンダワールドカップ」は21日(木)から4日間、オーストラリアのロイヤルメルボルンGCで開催される。各国2名までの代表選手、計60人が集結。72ホールのストロークプレーで争われる世界一決定戦に、日本からは谷原秀人と石川遼が出場する。
前週の国内ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」で1、2フィニッシュを飾り、最高の形で豪州に乗り込んできた2人。19日(火)には前夜祭に出席し、翌20日(水)にプロアマ戦に出場。これから夏に向かう南半球のオーストラリア。まだ肌寒さの残る午前中に、コースコンディションをチェックした。
「難しい。グリーンが止まらない。テーマは我慢。ひたすら。気持ちが切れたら本当に終わっちゃう。ボギーが止まらなくなるし、普通に80を打つと思う」とは好調を維持しながらも、苦笑いで話す谷原。前週は当地で豪州ツアーの「タリスカーマスターズ」が行われたが「全英と同じくらいの硬さ。ピッチマークが付かないよ」とボールを易々と弾いていくグリーンに手を焼いた。
そんな谷原についた心強い援軍は、今週急遽コンビを組んだキャディのクリスチャン・デビッドソン氏(愛称チョッパー)。今年初めから石川のバッグを担ぐサイモン・クラーク氏と同じくメルボルン育ちで、自宅はコースから徒歩圏内。「攻めるホールなんてほとんどない。基本的にはセーフティ。(ロー)スコアは出ない」と安全な舵取りでアシストする。
一方の石川は2011年に世界選抜の一員として同コースでプレー。しかしバッバ・ワトソンをマッチプレーで撃破した2年前とは、心構えが違う。「マッチプレーではドライバーでガンガン行けたけど、ストロークだと結構刻まざるを得ないホールも多い。プレジデンツカップの方が気楽にやれた」と、フォーマットの違いを指摘。「短いパー4ほど気を付けないといけないホールがある」。傷がそのホールで消化されるマッチではなく、大けがにつながってしまうストロークプレーが、コースの見え方を変えている
今年から同大会には世界ランキングポイントが付与され、個人戦の賞金総額は700万ドルと高額。また、日本人選手には代表になることで国内ツアーの2年シード獲得という別の魅力もある。しかし、大会は60人の個人戦となるが、2人が出場している26か国については、両選手の合計ストロークで賞金総額100万ドルを争う団体戦も並行して開催。日の丸の重みが自らを奮い立たせる。
「責任は強く感じている。ここで頑張れば、日本のゴルフの見られ方が変わってくる。ロイヤルトロフィも、日韓戦も、プレジデンツカップもモチベーションの大きさは比べられない。代表になってプレーするのは、いつもモチベーションは上がる」と石川。2001年大会、丸山茂樹と伊澤利光のコンビ以来となる栄冠で、世界の視線を日本に集める。(オーストラリア・メルボルン/桂川洋一)