松山英樹、苦しみながらも25位で完走
マレーシアのクアラルンプールG&CCで行われている米ツアーとアジアンツアーの共催試合「CIMBクラシック」の最終日、松山英樹は4バーディ6ボギーの「74」とスコアを崩し、通算4アンダーでホールアウト。プロ転向後の米ツアーではワーストとなる25位タイ(それまでは13年WGCブリヂストンインビテーショナルの21位タイ)で大会を終え、フェデックスカップランキングでも7位から11位へと順位を落とした。(44点を稼ぎ合計177点)
松山が米ツアーの大会で、最終日をオーバーパーとしたのは、12年4月の「マスターズ」以来、約1年半ぶりのこと。懸念された背中の痛みは解消せず、3番の第2打や、5番のティショットでは、苦痛に歯を食いしばる痛々しい姿も見せた。
痛みからくる集中力の欠如なのか、序盤はパットに泣かされた。2番で2.5メートルを外し、3番(パー5)では上2.5メートルのバーディチャンスから3パット。4番でも1.5メートルを外して3連続ボギーとした。
折り返した12番、13番でも連続ボギーとした松山だったが、ティグラウンドが前に出された14番では意地も見せた。同組のアーロン・バデリー、ビル・ハースがアイアンで刻む中、松山は296ヤード先で池越えとなるピンをドライバーで果敢に攻めた。カット気味の球でグリーン奧のバンカーまで運ぶと、そこから下り傾斜の難しいバンカーショットをピン下2メートルにつけてバーディ奪取。失った流れを引き戻そうと懸命のプレーを続けた。
雷雲接近による約3時間の中断を挟んだ最終18番。松山は再開直後の3打目をピン上4メートルにつけ、これを強めにカップ真ん中から沈めてバーディフィニッシュ。4日間で合計19個目となるバーディで大会を締めくくった。
「悪いなりにも19個のバーディが獲れたのは収穫。だけど、その分15個分のオーバーを打っている。ミスが多いと勝てないことは分かっているので、そこをどれだけ減らせるかが勝負」と松山。重点的に取り組んできたアプローチは「少しずつ良くなっている」というものの、目指す理想はまだ高い。
今年4月のプロ転向以来、国内10試合、海外9試合(欠場1試合をのぞく)と世界を股にかけて戦って来た松山だが、スタート直前に欠場した前週の「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」以来、万全の体調を取り戻していない。
「年間戦うのは初めてなので、やってみなきゃ分からないこともある。(体に)負担はきていると思うけど、体力をつけて耐えられる力をつけるのか、少し休んで状態を上げるのかは、来年以降考えること。どっちにしろ、トレーニングはしなきゃいけないと思います」。
昨日、一昨日とホールアウト後の練習はできなかった。長時間の移動に慣れ、練習できる体を作ることは、米ツアーで1年先輩にあたる石川遼も通ってきた道。メジャー制覇の大目標に向け、まだ歩み始めたばかりだ。(マレーシア・クアラルンプール/今岡涼太)