11位浮上の石川遼 一皮むけた上位への手応え
米国カリフォルニア州にあるコルドバレーGCで開催されている「フライズドットコムオープン」の2日目、2アンダーから出た石川遼は、6バーディ2ボギーの「67」で回って通算6アンダーとし、11位タイに浮上して決勝ラウンド進出を決めた。
スタートホールの10番では、2打目を1.5メートルにつけてバーディ。13番では、グリーンの傾斜を使って30センチにぴたりと寄せた。「安全かつチャンスにつくところを狙っていくと、ああいう風になる」と石川。「今日は序盤から緊張もなく、良い感じでリラックスしてできた」と、落ち着き払ったゲーム運びでスコアメイクに危なげがない。
折り返した6番では、フェアウェイバンカーから4Iで2.5メートルにつけ、高い技術も駆使しながらバーディを奪った。「誰にとっても難しいと思うけど、あそこで当てにいったり、置きにいったりしないで、アグレッシブなスイングができた」と自己評価も高い。気持ちやコースのマネジメントとショットが噛み合い、終わってみれば、順調に伸びたスコアは首位と5打差。決勝ラウンドの2日間を前にトップ10目前の好位置につけた。
ウェブドットコムファイナルシリーズ終盤、3試合連続でトップ10入りした石川は、「所詮、ウェブドットだろうと思っていた」と打ち明けた。「PGAでトップ10に入るのは、すごいことだと思っていた」と、当時は頭の中で見えない敵と戦っていたらしい。「でも思ったほど違いはない」。下部ツアーとの入れ替え戦を経験したことで、自分の力量に確固とした手応えを感じるようになった。
いま向き合っているのは、その次の段階だ。昨日ダブルボギーを叩いた6番ホール、今日は4オン1パットのパーで終わった15番ホール。「昨日の6番はラフでへこみに入っていて、悪いライになって焦りが出た。今日の15番も完璧なマネジメントができたけど、ティショットがディボットに入っていて。無理矢理打ったらああなった(右サイドのバンカーに捕まる)。自分の技量に応じて判断していかないといけない」。どんな時にも揺るがない冷静な判断力を自分自身に求めている。
この日は、松山英樹もリーダーボードを駆け上がった。「英樹が良いプレーをしているのは見えたし、疲れていても試合に合わせてくるのはすごいと思う。でも、自分は自分なりのやり方でこのスコア。あと2日間も、自分がやるべきことをできるかどうか」。軸をぶらさず、一歩一歩前進する。(カリフォルニア州サンマーティン/今岡涼太)