渡米の松山英樹、東北のために基金開始
次週、米国で開催される「ザ・プレジデンツカップ」に世界選抜のメンバーとして出場する松山英樹が、28日(土)に成田空港から渡米した。松山はその翌週にも来季の米ツアー開幕戦が控えている。
「プレジデンツ-」では、7月の「全英オープン」で予選を同組でラウンドしたフィル・ミケルソン、そして「WGCブリヂストンインビテーショナル」で同組となったタイガー・ウッズら米国選抜と戦うことに「どの選手とも対戦してみたい。そして、全員に勝てるように頑張ります」と意気込んだ。
そして10月10日からスタートする米ツアーの2013-14シーズンに向けても「早めにシード権を獲得したいと思っています。生活面など苦労することもあるとは思いますが、なるべくゴルフに集中して、試合をやりながら調整をしたい。日本に戻って2試合に出場しましたが、これから迎える米ツアーへの調整を兼ねた中で1勝を挙げることができたのは大きい」と、調子の良さを実感している。
その松山が、次週の戦いから新たな挑戦を始める。会見に同席した東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督が「松山基金を立ち上げます」と宣言。現在も復興にむけて歩みを進める東北、そしてこれからゴルフを始めるジュニア育成への支援を目的としたもので、1バーディ、1イーグルにつき数万円など、具体的な数字は未定だが、基金を開設することを決めた。
米ツアー開幕後は米国本土で2試合、その後マレーシア、中国での試合にも出場を予定。その後、日本に戻るが国内ツアーの出場予定は、体調面などを考慮した上で決めるため、現時点では未定となっている。
そして11月にはオーストラリアで「ワールドカップ」が行われるが、同週に国内で開催される「ダンロップフェニックストーナメント」に出場する方向だと明かした。米ツアーに本腰を入れることに変わりはないが、国内賞金王を獲得するチャンスということもあり、国の代表として戦うよりも賞金ランキングに加算される国内ツアーを優先させたいという本音も覗かせた。
先述の「松山基金」は国内ツアーでも実施。「これは1年とかで終わらせることはなく、復興と同じくずっと続けるべきものだと思っています」と力強く語る。2011年3月の震災後に出場した「マスターズ」で米ツアー挑戦を決意した松山は、東北で過ごし、これまで多くの激励をもらってきた。その恩返しも含めた戦いが始まろうとしている。(千葉県成田市/本橋英治)