石川遼、ショット不振も今季最高の5位タイ発進
フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開幕した米国男子ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」初日。石川遼が6バーディ、3ボギーの「69」で回り、単独首位のジャスティン・ローズ(イングランド)に4打差の3アンダー、5位タイと好スタートを切った。
午前中にインコースからティオフした石川は、出だしの10番、11番のティショットでフェアウェイを外し、ピンチを切り抜ける慌ただしい滑り出し。しかし12番(パー5)で4メートル、上りのラインを沈めてバーディを先行させると、その後は安定したショートゲームでスコアを作った。
グリーン手前エッジから“3パット”でボギーとした14番(パー3)の直後、15番ではグリーン左手前のバンカーからチップインバーディ。さらに16番(パー5)では2オンから、この日3つ目のバーディを奪う。リーダーボードにタイガー・ウッズらとともに名を連ねると、右サイドのカラーからパターで沈めた最終9番を含め後半アウトは3バーディ(2ボギー)。
「体の動きが鈍かった感じ。最後まで痛い目に合わずにできて良かった。ショットは結構、ミスだなと言えるものが多くて…。良い時だと1日でミスショットが2回くらいにおさまったりする。そういう日に比べるとショットの出来は全然満点ではない」と課題を口にしたが、難攻不落のベイヒルで60台をマークしたのは、5年連続の出場にしてこの日が初めてだった。
ショットへの不満が募る一方で、収穫にパッティングと、新しい相棒とのコンビネーションを挙げた。昨年「日本オープン」など国内ツアー2試合でコンビを組んだサイモン・クラーク氏を今大会からキャディに起用。終盤8番で第1打を左ラフに曲げると、ピンを狙うには池越えとなる第2打を前に、サイモン氏はフェアウェイへのレイアップを進言した。
「そこだけは僕が(アドバイスを)聞く前に言ってくれました。僕が行きたがっている(グリーンを直接狙う)雰囲気を感じたんだと思う」。普段から徹底して練習している70ヤード前後のアプローチを3打目に残す作戦。結局、2メートルのフックラインを外してパーセーブはならなかったが、大きなトラブルにならなかった初日の選択に感謝した。
第1ラウンドを終えての順位、5位タイは米ツアーにおいて2011年「WGCキャデラック選手権」の2位タイ、10年「全米オープン」4位タイに次ぐ好発進。しかし2日目に向けたショットの修正が急務とあって、油断はない。「風が吹くとすごく難しくなるコース。明日は明日で違う風が吹く。気持ちを切り替えていきたい」と最後まで笑顔は控えめだった。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)