今年の全米プロ開催コースは超難関!
通常ゴルフは楽しむスポーツだ。でもピッツバーグ市北部にあるオークモントカントリークラブでは様子が違う。ここのメンバーは約100年間ゴルファー達が苦戦する事を楽しみにしてきた。
またメンバーはメジャーオープン開催に関しても同じく残忍なアプローチを取る。8月14-17日に行われる今年の全米プロ選手権は、オークモントで開催される16度目のメジャー大会だ。全米アマチュア選手権は4回、全米オープンは7回、全米プロは3回、及び全米女子オープンを1回今までに開催している。残忍かも知れないがオークモントにはそれなりの魅力があるのだろう。
オークモント・カントリー・クラブは1903年にヘンリーC.ファウンズが作ったゴルファーに苦痛を覚えさせる超難関コースとして設立された。ピッツバーグでは名の知れていたビジネスマンで、ゴルフを学んでいたファウンズは世界一難しいゴルフコースを作ると決心した。そしてウォーターハザード等をなくして、彼は世界一難しいゴルフコースを作る事に成功した。
当初は8ホールがパー5、パー6が1ホールあった。また一時は350ものバンカーがあった(今日バンカーの数は165)。完璧主義なファウンズはグリーンキーパーにバンカーを重いくま手で、3インチ程深い溝を作るように指示した。
鮮やかに波立つ約6,500平方フィートの緑のコースは、常にスピードが出るように刈られ、またグリーンは1トンローラーで転圧される。
勿論速いと言っても、1920年代という時代背景を考えればスティンプメーターで8~9ぐらいだろう。今日は約13~14。時には選手権を時間内に成立させるため、通常よりグリーンのスピードを落とすように各協会から要請されていた。
戦後オークモントは風致地区のレイアウトに変更された。ゴルフコースの風景を美しくするための大規模な植樹プログラムだった。1960年半ばから後半まで針葉樹や広葉樹等が植えられた。1953年のオークランドで行われたオープンの空中写真を見ると、その頃のコースは殆ど木々が無いリンクススタイルのレイアウトだった。しかし1983年のオープンでは全てのホールが廊下のように木々に囲まれていた。当初のヒースの生えた荒野のような風景とはまったく違った。
特に1973年の全米オープンで、ジョニー・ミラーが最終日に63という快スコアで優勝してから、オークモントは時に策略的になっていった。1983年の全米オープンでは、ラフのイチゴツナギは非常に濃く、また深かったため、ティからラフに打ち込んでしまった選手はウェッジでフェアウェイにボールを戻すしか脱出する方法はなかった。
また選手がボールを転がしグリーンに乗せることができないように、グリーンの入り口には水がまかれた。また岩のように堅いグリーンは、アプローチエリアから離れていくように構成されていて、表面は余りにも堅いため、アイアンショットをグリーンに乗せたとしても、グリーン上に止めることは困難だった。
政治的に難しかったのかもしれないが、最近オークモントは根源に戻ろうとしている。これはグラウンド委員会メンバー、及び2名の有名な建築家、アーザー・ヒルズとトム・ファジオというメンバーが可能にした計画だ。
クラシックなデザインが現在のゴルファーに適応し、挑戦的であることが証明された。2500本の木々が取り除かれ、フェアウェイには新しく芝を敷き固められ、オークランド固有の芝に戻った。また、オークランドで最後に行われた全米オープン(1994年)に比べ数百ヤードコースが長くなった。全米アマチュア選手権で若い選手はクラブを思いっきりスウィングできるだろう。グリーンに近づけば近づくほどゴルファーとしての真のスキルがテストされる。
Golfweek