パインハースト攻略法/全米オープン
Front9
■ HOLE 1 401yards, Par4
スタートホールは比較的距離の短いパー4。ほとんどの選手はドライバーではなく、フェアウェイウッドやロングアイアンでティショットを打ってくる。アゲインストの風が吹かない限り、2打目はショートアイアンになる。左サイドにはOBがあり、グリーンの手前、または奥からのアプローチは難しいので確実にパーオンをしてバーディチャンスを迎えたいホール。
■ HOLE 2 469yards, Par4
軽く右に曲がっていく、距離の長いパー4。ティショットは4つのバンカーが配置されている左サイドが狙い目。左サイドからの方がグリーンに向かってのアングルが良く、右サイドのピンも狙いやすくなる。バンカー越えにピンが切ってあるときは、パーセーブが難しくなる。このホールの平均ストロークはオーバーパーになるだろう。
■ HOLE 3 336yards, Par4
距離の短いパー4。風の向きやピンの位置によって、いろいろな攻め方の選択がある。ドライバーでの思い切った1オン狙い。または正面右サイドにあるバンカー手前にアイアンで刻み、2打目でグリーンを狙うこともできる。グリーンは奥から手前に受け傾斜になっているが、後ろは砲台になっているのでオーバーすると下り落ちてしまう。バーディチャンスホールだが、油断すると簡単にボギーとなってしまうので注意が必要。
■ HOLE 4 565yards, Par5
ドライバーショットでアドバンテージを得られれば、2オンのイーグルチャンスもあるパー5。ティショットは打ち下ろしとなるが、2打目地点からグリーンまでは打ち上げていく。右サイドがベストポジションとなり、左サイドにあるバンカー群には注意。3オン狙いの時はグリーン手前80から90ヤード地点にあるバンカーは避けるように刻むことが必要。グリーンのアンジュレーションは他のグリーンと比べると、穏やかなので比較的易しいチャンスホールとなる。
■ HOLE 5 472yards, Par4
軽く左にドッグレッグしているパー4。1999年の全米オープン時には平均ストロークが4.55とオーバーパーになっていたとても難しいホール。フェアウェイからグリーンまで全体的に右から左に傾斜がついているので、右打ちの選手には引っ掛けやすいライとなる。グリーン周りのアンジュレーションは激しく、グリーン左からパーセーブをするのは至難の技となる。
■ HOLE 6 220yards, Par3
距離の長いパー3。通常はアゲインストの風が吹くケースが多く、更に難度を高める。高い球でグリーンを捕らえるのが理想だが、もうひとつの選択肢としては、グリーンの手前から低い球で転がしてくるという方法もある。グリーン左手前にあるバンカーは深いので、ここにボールを入れてしまうとボギーは覚悟となる。
■ HOLE 7 404yards, Par4
右に大きく曲がっていくパー4。ロングヒッターはショートカット狙いでグリーン方向に打つ可能性もあるが、セオリーはアイアンで左サイドにあるフェアウェイを狙い、ショートアイアンでピンを狙う。このホールのグリーンは小さい上、傾斜が強く難しい。右手前にあるバンカーは深いので注意。
■ HOLE 8 467yards, Par4
通常メンバーはパー5としてプレーするホールだが、全米オープンでは距離の長いパー4となる。ティショットは右サイドにある2つのバンカーに注意して、フェードボールで攻めたい。大きく左に外すとOB、大きく右のミスはウエストエリアがある。グリーン左サイドと奥は下っているため、グリーン周りも難しい。右手前のバンカーも深くトラブルになりやすい。
■ HOLE 9 175yards, Par3
風の方向とピンの位置で持つクラブが変わってくるが、正しいクラブ選択が鍵となる。ミドルからショートアイアンでグリーンを狙う打ち下ろしのパー3。グリーンの左と奥はトラブルが待っている。グリーンは2段になっていて、 左から右、奥から手前とアンジュレーションは激しい。正確なショットが要求されるホール。
Back9
■ HOLE 10 607yards, Par5
600ヤードを越える距離の長いパー5。フォローの風になればロングヒッターは2オンも可能だ。ティショットは右のバンカーに注意。3オン狙いの場合は、2打目で左右のバンカーを避けることが大事となる。グリーンは左から右に傾斜している。グリーンの奥は下り落ちてしまうのでオーバーは禁物。奥のピンを積極的に攻めるのは難しい。
■ HOLE 11 476yards, Par4
1999年の全米オープン開催時に25ヤード距離が伸び、難しくなったホール。少し右に曲がっていくパー4。ティショットを左センターに置いてくることができればベストポジション。右サイドは砂が混じっているウエストエリアとなっている。グリーンは右手前から左奥に広がっている形状。右手前のピンは比較的易しいが、左サイドはなかなか寄せにくい。ピンの位置によって攻め方が変わってくるホール。
■ HOLE 12 449yards, Par4
ティショットの正確性が要求されるパー4。ティショットは左右のバンカーを避けて、確実にフェアウェイを捕らえることがパーオンの鍵となる。グリーンは左から右に傾斜しており、高い球でないとボールをグリーン上で止めることは難しい。右サイドのピンが切ってあるときはチャンスだが、左にピンがあるときは守りのホールとなる。
■ HOLE 13 378yards, Par4
距離の短いパー4だが易しいホールではない。ティショットは右のバンカー越えを狙ってくる選手が多いはず。問題はグリーンに向かって打つセカンドショット。砲台グリーンなので正確なアイアンショットが要求される。グリーン上のアンジュレーションも激しく、下りのパットはデリケートなタッチが必要となる。
■ HOLE 14 468yards, Par4
ティショットは打ち下ろしとなるパー4。 ティショットが落ちる地点には、左右バンカーが配置されているが、右サイドに置いてくるとチャンスが広がる。グリーンは砲台形状になっていて、右サイドとオーバーがトラブルとなる。左からのアゲンストの風が吹くととても難しいホールになる。
■ HOLE 15 203yards, Par3
上がり4ホール中、2つの難しいパー3がある。この15番は特にグリーン形状がトリッキーなので、ワンオンさせるのは距離感と高さのコントロールが必要となる。手前にショートさせるとグリーン外にこぼれてしまう。右サイドのバンカーにつかまってしまうとボギー覚悟。右、または奥のピン位置になったとき、パーはとても良いスコアだと評価されることになる。
■ HOLE 16 492yards, Par4
メンバーはバックティから518ヤードのパー5でプレーするが、全米オープン開催時は492ヤードのパー4となる。このコースで唯一の池があるが、これは問題なくティショットで越えてくるので威圧感は感じられない。右サイドにあるバンカーを避けて、うまくティショットを放つことができれば、ロングまたはミドルアイアンでグリーンを狙うことができる。グリーンは左右と奥のバンカーでガードされているので正確なショットが要求される。ピンが近いショートサイドにグリーンを外すとパーを拾うのが難しくなる。1999年大会では最終日、故ペイン・スチュワートが7メートルのパーパットをねじ込んで上がり3ホールのドラマを生んだホールでも有名。
■ HOLE 17 190yards, Par3
打ち下ろしのパー3。5つのバンカーがグリーンをガードしており、ミスショットを待っている。グリーンのアンジュレーションは激しく、手前の部分は右から左に強く傾斜している。右にピンが切ってあるときは難度が増し、バーディを獲る確率はだいぶ低くなる。
■ HOLE 18 442yards, Par4
最終ホールは少し打ち上げて、左から右に曲がっていくパー4。フェアウェイは比較的広い設定となっているが、セカンドショットが難しい。 グリーンは真中が窪んでいる3段グリーン。グリーンをオーバーするとパーを拾う可能性は低くトラブルとなる。右のバンカーは少し距離があるため、ここからもパーセーブは難しい。1999年大会はスチュワートが右奥のピンに対して、5メートルのパットを沈めてフィル・ミケルソンを振り切った。
解説:アンディ和田