米国男子ツアー

今日のタイガー/タイガー史上一番記憶に残るメジャー優勝

2008/06/17 09:00

第108回全米オープン選手権の勝者を決めるプレーオフは、現地の月曜日午前9時にスタート。72ホールを終えた時点で通算1アンダーのタイガー・ウッズとロコ・メディエイトの争いとなった。気温は摂氏21度前後、風は西北西から秒速3メートル前後の強さで吹く一日となっていた。

18ホールのストロークプレーとなるプレーオフ、タイガーは1番のティショットでフェアウェイ右サイドを捕らえてスタートした。初日、3日目、最終日と3回ダブルボギーを叩き鬼門となっている1番ホールをパーで無事に切り抜けたタイガーは、あまり膝の痛みを表情に出さずプレーを続けた。前半は難しい6番と7番でバーディを奪うことができた。しかし3番と8番のパー3でバンカーにつかまってしまいボギーが2個。両ホールとも目玉のライからパーセーブすることができなかったボギーだった。フロントナインはイーブンパーの「35」でターン。

メディエイトは2オーバー「37」とし、タイガーは2打差のリードでバックナインに突入。10番でグリーン外からパーセーブに成功したタイガーはこのホールでボギーとしたメディエイトと3ストローク差で残り8ホールとなる。このまま差が開いてしまうのか?と思われたが、メディエイトはここからの8ホールでノーボギー、3つのバーディ(13番、14番、15番)でイーブンパーの「71」とスコアを戻すことに成功。

一方タイガーは、11番のパー3で左手前のバンカーにつかまりボギー。12番でも3オン2パットでボギーとしてしまう。13番と18番のパー5で2オン2パットのバーディを奪うことができたタイガーは「71」で18ホールを終了。メディエイトと同じスコアとなり勝負はサドンデスのエキストラホールへと突入。19ホール目(7番ホール)で2オン2パットのパーとしたタイガーに対し、メディエイトは3オン2パットのボギーとして決着がついた。91ホールを戦い抜いたタイガー・ウッズが優勝。2000年、2002年に続き3回目の全米オープンを制覇。トリプルグランドスラムを達成するとともにメジャー競技14勝目を記録。目標となるジャック・ニクラスの18勝に並ぶまであと「4」と縮めることができた。

医師からの出場は控えたほうがいいというドクターストップを頑固に拒否してプレーをしたタイガー。91ホールというサバイバルゲームを制して6年振り、3度目のナショナルオープンのトロフィーを掲げることができた。父親になって前日の「父の日」優勝はできなかったものの1日遅れで達成することができた。表彰式には妻のエリンさんや愛娘サムちゃんも出席して大きな笑顔いっぱいのウッズファミリーだった。

4つのダブルボギー、3つのイーグル、3パットもあれば、フックボール、スライスショット・・・アップダウンの連続で信じられない1週間だったとタイガーは振り返る中、今回の優勝がこれまで経験した中で一番価値のある優勝だと話していた。

膝の痛みについてはこれからいろいろ考えるが、しばらくは休養を取る予定という。当初の予定だと2週間後の「ビュイックオープン」、3週間後のホストイベント「AT&Tナショナル」などに出場予定だったが、欠場の可能性が高いようだ。次のメジャー戦となる全英オープンについても「IHopeSo...」という返答。長期の休みを取る可能性もでてきている。代理人のスタインバーグ氏の話だとメディアなどが報道しているよりも膝の具合はかなり悪いという話も出ている。膝の痛みをこらえながら「1打の重み」を信じて勝ち抜いた2008年の全米オープンはタイガーだけではなく多くのゴルフファンにとっても1番印象深いメジャー戦として歴史に残る大会となるであろう。

★ラウンドデータ
・スコア:71(35-36)イーブンパー
・バーディ:4ホール
・パー:10ホール
・ボギー:4ホール
・フェアウェイキープ率:50.00%(14ホール中7ホール)
・パーオン率:50.00%(18ホール中9ホール)
・合計パット数:28パット
0パットホール:1回
1パットホール:6回
2パットホール:11回
・サンドセーブ率:0%(グリーンサイドバンカーに入れた数4回、1パットセーブ0回)
・パー3:通算3オーバー
・パー4:通算1アンダー
・パー5:通算2アンダー
(解説:アンディー和田)