全米オープン開催コース「ベスペイジ」論争続報
今年の「全米オープン」開催コース、ロングアイランド国立公園内の「ベスペイジ・ブラックコース」の設計士は過去65年もの間、 A.W.ティリングハーストだとされてきたが、実際は自分の父、ジョセフ・バーベックであると、息子のジョー・バーベック氏が主張し、 全米中を騒がせている。実際、1959年発行のロングアイランド国立公園史書には公園のデザイン兼建設担当にジョセフ・バーベック氏の 名前が記されており、ティリングハースト氏はコンサルタントとなっている。ジョー・バーベック氏の主張を元に調査した ゴルフ・ダイジェスト誌のロン・ウィッテン氏によると
「証人が当時4歳の息子さんしかいませんが、様々な書類からバーベック氏が設計士であることを裏付ける証拠が出てきており、 ティリングハースト氏本人もバーベック氏の貢献度が高いと認めています。ロングアイランド国立公園史書を調べても ティリングハースト氏はコンサルタントとしてのみの契約で、それもコースのPRを目的とした名前借り的なものでした。 1933年の12月30日に契約していますが、一日50ドルで15日間というものでした。その期間で設計し建設するのは不可能でしょうし、 また彼自身は常に自らの肩書きを「コンサルタント」としていたそうです。もちろん我々ゴルフ・ダイジェスト誌としても ティリングハースト氏の貢献を無視するつもりはないですが、バーベック氏の貢献を明るみに出したいだけです。」 (ロン・ウィッテン ゴルフ・ダイジェスト誌・首席記者)
しかしA.W.ティリングハーストの功績を称える「ティリングハースト・トリロジー」の著者であり、 ティリングハースト氏についての歴史家であるリック・ウォルフ氏は
「いろいろなことが言われていますが、ジョセフ・バーベック氏は建設の責任者で、彼はティリングハーストと共に コースを造ったのです。 どのゴルフコースもそうですが設計士と建設者は別。建設担当ですから、デザインについて 意見を述べたりもしたでしょう。 ですからバーベック氏の貢献も称える必要があると思います。 しかし、ティリングハーストがあくまでもデザインを担当した設計士としてこの65年間 認められてきたことにはウソはありません。 建設担当は設計士という肩書きではありません。あくまでも建設担当です。 息子のバーベック氏を非難するつもりはないですが、彼の父上を思う気持ちを尊重しつつも、事実を曲げることは出来ないと思います。」(リック・ウォルフ)