2012年 全米オープン

実力の差?執念の差か、藤田らが全米切符をもぎ取る

2012/05/21 19:48
36ホール目に長いバーディパットを決めてプレーオフ進出を決めた藤田寛之

6月の「全米オープン」出場資格をかけた最終予選会に出場した藤田寛之が、36ホールを通算6アンダーでラウンドし、3位タイに喰い込んだ。そして、同3位に5人が並んだため、4名に絞られるプレーオフ進出に、1ホール目をパーセーブして3年連続3度目の出場を決めた。

前日まで「とおとうみ浜松オープン」に出場していた選手が多く、その翌日にアップダウンの激しいレイク浜松CCを36ホールプレーするとあって、出場40名中、19名が途中棄権となった。

そんな中で最後まで諦めずに戦い抜いたのは、全米オープンに出場したいという執念にも似た熱い気持ちを持った選手たちばかりだった。36ホール目の9番(パー5)を通算5アンダーで迎えた藤田は3打目のアプローチをピンに寄せきれず、上りで左に切れる13mのバーディパットを残した。しかし、慎重にラインを読んだ藤田は、このパットをねじ込み右手を大きく握り締めた。

「36ホール目のあのパットが全てだった。あれで、なんとか残れて。情報がいっぱいあって、通過ラインは6アンダーとか、いろいろ。プレーオフまでは正直考えていなかったので」。ラウンド中はスコアボードもなく、周囲からの情報も曖昧な点が多く、選手たちは自分のスコアが上位なのかどうかも分からずにプレーを続けていた。

日本勢では谷口徹が通算7アンダーをマークして通算8度目の出場を決定。「予選会4戦4勝、勝率10割だよ」と谷口は得意げにクラブハウスに引き上げてきた。さらに藤田と同じく3位タイでプレーオフを勝ち抜いた高山忠洋が、2006年大会以来2度目の出場を果たす。(静岡県浜松市/本橋英治)

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