2012年 マスターズ

“タイガーチャージ”は最後まで不発 「練習が必要」

2012/04/09 10:35
40位タイで終戦。プロ転向後の「マスターズ」ワースト順位で終えたタイガー(Andrew Redington/Getty Images)

タイガー・ウッズにとって18回目となるマスターズ最終日はトップから12打差、38位タイからプレーを開始した。今週はこれまで「4」を取ることができていなかった2番のパー5でやっとバーディを奪取。2打目をピンの右サイドまで進めることができ、3打目は3番ウッドで転がせてピタリと寄せることに成功した。しかし、5番ホールではセカンドショットでグリーンをオーバー。ボールは大きく下り落ちてしまいピンチを迎える。3打目のアプローチはグリーンまで届かずこのホールは4オン1パットのボギー。そのあと8番のパー5で2個目のボギーを喫してしまい、前半を1オーバーの「37」でターンした。

サンデーバックナインは10番をボギーにした後、12番でグリーンセンターから9メートルのバーディパットを沈めた。しかしサンデーバックナインチャージは不発。16番、17番で連続ボギー、最終18番で今日3つめのバーディとしたが、後半も「37」。最終日は2オーバー「74」、通算5オーバーで競技を終えた。通算40位という成績はタイガーにとって、プロになって参戦した16回のうちでワースト記録。アマチュア参戦の95年(41位)、96年(予選落ち)の他は、2004年の22位がこれまでのワーストフィニッシュだった。

■ プレー後のインタビュー

Q: 今週は多くの期待がありましたが、この一週間を振り返っていかがでしたか?
タイガー: 今週はしっかりとボールを打つことができませんでした。悔しいのは何をしなければいけないかが分かっていたのにできなかったことです。しっかりと信じて振り抜くことができませんでした。昔の悪い癖に陥ってしまいました。もっと練習が必要です。今週はショートゲームが冴えていたので助かりました。パッティングも良かったですが、入ったのはパーパットで、バーディパットはダメでした。振り返ってみるとパー5でのプレーが酷すぎました。このコースはパー5でスコアを伸ばすことが必要ですが、今週は上手くいきませんでした。

Q:(2週間前の)ベイヒルでとてもいいプレーをしていたのに今週その感じを失ってしまったことはいかがでしょう?
タイガー: そうですね。毎週のようにいいプレーができないときもあります。残念ながら今週は私にとっていい週ではありませんでした。良い感じで打つことができませんでした。しかしまた積み上げて、練習を続けて向上していきます。

Q: 木曜日にも練習をしていたようですが他の日はいかがでしたか? 問題は体重移動だったのでしょうか?
タイガー: そうですね。練習場ではうまくいっていたのですが、コースでは今ひとつでした。練習場ではしっくりきていたのですがコース上では疑いを持ってしまいます。もっと練習が必要ですね。

Q: 現在スイングを変えている事に確信を持っていますか?
タイガー: もちろんです。私はいいショットの感触をつかんでいます。残念ながら今週は良くなかったです。また練習を重ねることが必要です。

Q: 体調に問題はありませんでしたか?
タイガー: 体調は良いですよ。しかし残念ながら今日、そして今週は他の選手よりもショットの回数が多かったです。まだ練習を重ねることが必要です。

Q: 次の試合の予定は?
タイガー: まだわかりません。

Q: 感情を表すことについてはあなた自身の強い想い、ゴルフに対しての情熱が多いということでしょうか?
タイガー:そうですね・・・私はベストを尽くしています。連日自分ができる限りがんばっている事に対しては誇りを持っています。

Q: 今週は強く入れ込み過ぎてしまったのでしょうか?
タイガー: そうではありません。「はい、そうですね・・・」というのは簡単な答えですが、そうではありません。しかし難しい時に悪い癖が出てしまいがちです。まだ練習が足りないということです。それが今週、起きてしまいました。

タイガーにとって長く苦しい4日間、72ホールが終わった。振り返ってみると初日1番、2番とフェード狙いのティショットが大きく左にフックしてしまい、苦しいスタート。その2ホールはどうにかパーで切り抜けたものの、上がりの17番、18番でも同じミスを繰り返してしまっていた。初日を終えた時点で何かが違うという疑問を持ち、検索モードに陥ってしまったようだ。僅かなミスショットでも敏感になってしまい、ポジションを追いすぎてスイングリズムやバランス感もなくなっていた。

ここで一つ取り上げたいポイントとして、タイガーは先月はずっと平坦なフロリダで連戦を続けていたということ。「ホンダクラシック」、「WGC キャデラック選手権」、「タビストックカップ」、そして「アーノルド・パーマーインビテーショナル」。すべてが平坦でフラットなコースだった。アップダウンの激しいオーガスタナショナルGCのコースで打ち上げのティショットやつま先上がり、つま先下がり、左足下がりのアイアンショットなどの練習を重ねていくうちに、バランス感、ボールポジションなどがずれてきて、インパクトでのクラブフェースアングルのコントロールがずれてしまったと私は分析する。本人は練習を続けていくことが大切とプレー後のインタビューでも話していたが、次なるメジャー戦「全米オープン」の会場となるサンフランシスコのオリンピックはアップダウンが激しいコースとなる。いつも馴染んでいるフラットな練習エリアでスイングの反復練習を続けていくことで、いろいろなライから対応できることになるのか。この答えは、10週間後の全米オープンで分かるだろう。「今後の予定はまだ未定」とタイガーは話していたが、通常だと5月に入ってからは「ウェルズファーゴ選手権」と「ザ・プレーヤーズ」、6月は「メモリアルトーナメント」に参戦することになるだろう。

アンディー和田
(ゴルフチャンネル解説者)

★ラウンド データ
72-75-72-74=283(5オーバー)

最終日:74(2オーバー)
フロントナイン 37(1オーバー)
バックナイン 37(1オーバー)

・バーディ: 3ホール(4日間10バーディ)
・パー: 10ホール
・ボギー: 5ホール(4日間 15ボギー)

・パー3: 2オーバー(4日間3オーバー)
・パー4: イーブンパー(4日間3オーバー)
・パー5: イーブンパー(4日間1アンダー)

・フェアウェイキープ率: 50.00% (14ホール中 7ホール)
4日間通算 57.14%(56ホール中 32ホール)

・パーオン率: 44.44% (18ホール中 8ホール)
4日間通算 55.56%(72ホール中 40ホール)

・合計パット数: 27パット(3パットホール 1回)
4日間通算114パット(3パットホール 2回)

・グリーンサイドのバンカーからの1パット率 100%(1回トライ、1パット 1回)
4日間通算40.00%(10回中4回)

・ドライビングディスタンス 2ホール平均 292.50ヤード
(計測 /5番ホールと15番ホール)
4日間平均 281.62ヤード

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