【特集 タイガー・ウッズの見方(4)】ゴルフ担当記者の視点
8月第1週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」で度重なる故障から約3か月ぶりに戦線復帰したタイガー・ウッズ。だが同大会では37位タイと振るわず“復活”への光はなかなか見えてこない。スキャンダルの問題が発覚して以降、勝利の無いタイガー。ロリー・マキロイら新世代の台頭も著しい昨今、あの強さはもう戻ってこないのか。そんな疑問をPGAツアーで取材活動を続ける関係者に「全米プロゴルフ選手権」会場でぶつけた。第4回はAP通信のゴルフ担当記者、ダグ・ファーガソン氏。
―タイガーが戦線復帰したタイミングをどう思うか
「彼自身、全英オープンか、その直後の試合で戻ってこようと考えていたようだ。しかし大事を取って先週のWGCブリヂストンインビテーショナルが復帰戦になった。だからケガに関しては100%の状態と思って見ていた」
―今の状態はキャリアの中で最も悪い時期か
「最悪の状況は昨年のブリヂストンインビテーショナル。彼の最高の状態は2000年にペブルビーチで行われた全米オープンだと思っている。今は40%。ドライバーショットはスピードがあり、軽く振って距離が出ている。少し前までは思い切り力を入れていたようだったが。また、昔ほど決まっていないがパッティングもまずまず良い。ただバンカーショットや、アプローチが悪く、それらを含めての考えだ」
―今大会を取材するうえで、タイガーの優先順位は何番目か
「タイガーは常にナンバーワンだ。タイガーがいい時は、もちろんみんなが知っている。ただタイガーが悪い時を見たことが無い。だからそれを書く。一般の人々の最初の興味はいまも『タイガーはどうだったか』なんだ。(前週のように)日曜日にタイガーに勝つチャンスが無く、アダム・スコット、リョウ・イシカワにチャンスがあったら、彼らが一番だけどね。木曜日はタイガー、金曜日もタイガー。土曜日は…スコット、リョウ(石川)、ファウラーが上位にいたら、タイガーはどこだっけ?ということになる」
―スキャンダルで米国人のタイガーに対する見方は変わったか
「ゴルフファンはスキャンダルとプレーを分けて考える。だが、そうでない人々であれば、そうはいかない。自分たちは基本的には分けて考えるが、なぜタイガーの成績が悪いのかということを考え、説明するためにはスキャンダル問題を外すわけにはいけない」
―メジャー通算14勝のタイガーは復活し、ジャック・二クラウスの通算18勝の記録を上回ることができるか
「イエス。かなり難しいが抜けると思う。現在は他の選手が上手くなったし、タイガーを抜こうという気がある。勝つことは相当に難しい。だが来年、メジャーを勝つだろう。最も可能性があるのは全英オープンだ。マスターズなどのコースはゴルフクラブ、シャフトの進化によって、どんな選手にもチャンスが出てきた。だがリンクスでは頭脳の戦いになるからだ」