【GDO EYE】22歳のマキロイが切り開いた新境地
2011年、コングレッショナルCCで開催された全米オープンは、ロリー・マキロイが数々の記録と共に初のメジャータイトルを獲得して幕を閉じた。72ホールの最少ストローク(268)、72ホールの最多アンダーパー(16アンダー)の更新のみならず、パーオン率86%(62/72)というのは、USGAが同スタッツを取り始めてからの新記録でもある。
マキロイ時代の到来というには時期尚早だが、「アメリカから欧州」、「中堅から若手」へというパワーシフトが大きく加速した感は否めない。今大会の優勝で、メジャー大会では過去5度続けてアメリカ勢以外が勝利を飾ったことにもなる。
2007年9月、18歳の時に鳴り物入りでプロ転向したマキロイだが、「その当時、22歳でメジャー大会に勝てると思うかと聞かれたら、ノーと答えていた」と振り返る。
現在の石川遼も同じ心境なのかもしれない。「結果よりも内容が大事」「通用していることより通用していない部分が多いから、それを何年もかけて少なくして、最後はメジャーで優勝争いをしたい」。メジャー優勝はまだ数年先の目標として捉えている。
ちなみに、マキロイの意識の変化は大親友の1人であるグレーム・マクドウェルが昨年ペブルビーチで開催された全米オープンを制したときに感じたという。「彼が勝って、メジャー優勝は手の届くもの、到達し得るものだと実感した」と回想する。「仲の良い友達がメジャーを制するのを見たら、とても刺激的だし、同じことをしたいという気持ちになるだろう?」それは、まさに1年後に現実のものとなった。
22歳のマキロイがメジャー大会を制したことで、それは後に続く若手たちをさらに刺激するだろう。マキロイはプロ転向から4年掛かった。16歳でプロ転向した石川に置き換えてみると、それは20歳の年、つまり今年の9月以降ということになる。【ベセスダ/今岡涼太】