出遅れのミケルソン 「80台でもおかしくなかった」
「全米オープン」初日、41歳の誕生日を迎えたフィル・ミケルソンはショットが曲がり苦しいラウンドとなった。プレーを開始した10番のパー3(199ヤード設定)では、グリーン手前のウォーターハザードに入れてしまいダブルボギースタート。その後12番と2番でバーディを奪うものの、14番、3番、8番でボギーを叩いてしまい第1ラウンドは3オーバー「74」。一緒にプレーをしたロリー・マキロイ(北アイルランド)は6アンダー「65」と単独トップ。ミケルソンは、トーナメントリーダーのマキロイと9打差の62位タイと大きく出遅れている。
今大会用に持ってきたドライビングアイアンの選択が裏目に出てしまった。11番、14番、17番ではそのドライビングアイアン(ロフト表示は18度、リアルロフトは16度前後という噂)を使用したが、いずれも左のラフに打ち込んでしまった。ミケルソンはティグラウンドの右サイドに立ち、左から右に曲がる低い弾道の軽いドローで距離を稼ぐ狙いがあったようだったが、ボールは左に出たままでラフに沈んでいった。スイングコーチのブッチ・ハーモン氏とはスタート前ギリギリまでアドレスポジションでの体のラインに注意して調整したということだが、フェアウェイキープ率は35%、パーオン率は僅か44%というデータが語るように、思い通りのショットを描くことはできなかった。
プレー後のインタビューでは「実をいうと、こんなにショットが悪い中で3オーバーで収める事ができたのは良かった」と、プラス思考でラウンドを振り返った。「今日の内容だったら80台のスコアになってもおかしくなかったですよ。メジャー大会の前週に休みを取ると今日のように硬い動きになって、ためらいがちのスイングになってしまうケースがあります。私は4日間完璧にプレーをするわけではないので、もし今日が(1日だけの)悪い日でも、明日からまた良くなると思います。明日は午前のプレーなのでロースコアを出せればと感じています」と楽観的な表情で説明した。
初日のプレーを終えたのは午後6時30過ぎ。プレー終了後には雨が降ってきたのと日没が午後8時30分ということで、あまりスイング調整をする時間がなかったミケルソン。明日は午前7時55分にスタートなる。41歳の誕生日だったミケルソンは、最初のホールでダブルボギーと苦いスタートになってしまったが、タイガー・ウッズ(2008年)とルーカス・グローバー(2009年)という近年の大会覇者は初日のスタートホールでいずれもダブルボギーを喫してしまっていたという。明日午前のプレーとなるミケルソンの巻き返しに期待したい。
★ラウンド データ
初日 74(3オーバー)
注:初日は10番からスタート
バックナイン 37(2オーバー)
フロントナイン 37(1オーバー)
・バーディ: 2ホール
・パー: 12ホール
・ボギー: 3ホール
・ダブルボギー:1ホール
・パー3: 通算1オーバー
・パー4: 通算2オーバー
・パー5: 通算イーブンパー
・フェアウェイキープ率:35.71% (14ホール中 5ホール)
・パーオン率: 44.44% (18ホール中 8ホール)
・合計パット数: 27パット
・バンカーセーブ: 2回中1回 1パットセーブ(50%)
・ドライビングディスタンス 2ホール平均 313.50ヤード
アンディー和田 (ゴルフチャンネル 解説者)