2011年 マスターズ

アダム・スコットが6位タイに急浮上

2011/04/10 10:04
長尺パターを使いこなし通算7アンダー6位タイに浮上したアダム・スコット(David Cannon/Getty Images)

ジョージア州オーガスタナショナルGCで行われている今季のメジャー第1戦「マスターズ」は9日(土)、第3ラウンド。2アンダーの20位タイで出たアダム・スコット(オーストラリア)が、この日のベストスコアタイ「67」で回り通算7アンダーの6位タイに浮上した。トップのロリー・マキロイ(北アイルランド)とは5打差となっている。

2番(パー5)で3日連続のバーディを奪ってリズムを作ったスコットは、その後も順調にスコアを伸ばした。13番(パー5)ではフェアウェイ右サイドから6番アイアンで第2打を放ち、ピン左2メートルにつけてイーグルを奪取。今年2月の「WGCアクセンチュアマッチプレー」から使用している長尺パターもさえ、サングラス越しの端正な顔を緩ませた。

かつてはタイガーの後継者の一人として注目を集めたが、今大会が10度目の出場となるマスターズも最高位は2002年大会の9位タイ、メジャー大会では2006年「全米プロ」の3位タイが最高。2008年中盤からは不振に悩んだ。

しかしスコットが「ターニングポイントだった」というのが2009年末の「プレジデンツカップ」。米国選抜との対抗戦で、世界選抜のキャプテン、グレッグ・ノーマンはキャプテン推薦で、日本の石川遼とともにスコットをチームに加えた。「ちょうど僕が、自分の力に疑いを持っていた時だった」。幼少時代からあこがれた母国の英雄から「自分を信じろ、信じることを決してやめるな」と声をかけられ、もう一度奮起。昨年、欧米ツアーで1勝ずつをマークし“復活”をアピールしている。

迎える最終日。マキロイ以下は混戦状態とあって逆転への望みはある。「正直言って、勝つことは頭にない。フロント9でしっかりとプレーして、いい位置にいられたら」と控えめ。無欲でビッグタイトルのチャンスをうかがう。

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