【GDO EYE】藤田寛之は優しすぎ!?
「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」に、初出場を果たした藤田寛之。今週から3試合の米ツアー参戦という意味では、今大会が始まる月曜日に現地入りというのは、おかしな話ではないかもしれない。
しかし、今週はマッチプレーで5日間の大会で、練習日は月曜日と火曜日の2日間しかない。月曜日に現地のホテルまで移動はしたが、コースに現れたのは大会前日で、練習ラウンドもじっくりというよりは、さらりと18ホールラウンドする程度しかできなかった。
会場入りが火曜日になったことを「日本でもやることがあったから」などと説明をする藤田だが、初戦でスウェーデンのロバート・カールソンとに敗れた直後には「もっとコースを知る必要がありますね」と反省。コースを軽視していたわけではないが、自身の要望よりも周囲に頼まれた仕事などを断れなかった結果、会場入りが遅くなったのは事実だ。
もう一つ、初戦の藤田を見ていて「え?」と思う瞬間があった。15番パー4を4ダウンで迎えた藤田は、このホールから18番まで4連続で奪わなければ負けが確定する状況となった。ティショットをフェアウェイ中央のバンカーに入れた藤田はピンまで6mに2オン。対するカールソンもグリーン手前のバンカーからピン奥3mに2オンさせた。
バーディパットを狙った藤田だったが、惜しくもカップの左をすり抜けバーディならず。このボールがカップから20センチに止まると、カールソンからコンシード(日本流のOK)が出たためボールをピックアップした。
すると、藤田はカールソンのマークの位置を確認すると、自ら帽子を脱いで右手を差し出した。その行為に、一瞬戸惑ったカールソンだが、すぐに理解すると藤田に右手を差し出し、握手をした。カールソンがこの3mを3パットしたら・・・。藤田はパーが確定したが、カールソンが3mを2パットで決められない可能性も少しはあるはず。
ところが、藤田はなんの迷いもなく潔く負けを認めた。これも藤田らしいといえば、それまでなのかもしれない。(編集部:本橋英治)