2010年 マスターズ

ウッズ激白「何度勝っても楽しくなかった」

2010/04/06 07:35
月曜日はカプルス、フューリックという仲の良い2人と回ったタイガー・ウッズ

マスターズ・ウィーク初日の月曜日、多くのパトロン達が詰めかけたオーガスタナショナルGCでフレッド・カプルスジム・フューリックと共に練習ラウンドを行ったタイガー・ウッズ。ウッズが14番ティに来たとき、ギャラリースタンドで見ていた子供が、「ブー」とブーイングを言おうとしたが、隣の母親が「しっ!」とすかさずその子を制した。

この日会場を訪れた多くのパトロン達が、ウッズのプレーに注目した。しかし、湧き上がる歓声や、熱烈な叫びは聞こえてこない。どこかそわそわした雰囲気。それでも、ラウンドを終えて共同会見に現れたウッズは、「ギャラリーはこれ以上ないくらい素晴らしかった」と、優しく微笑んだ。

「競技が恋しかった。ここにいるみんなと会えずに寂しかった。再びフレディとジムという2人の大親友とゴルフが出来て素晴らしい1日だった」とウッズは振り返る。

会見場でのウッズは、穏やかな反応を崩さない。2月の謝罪会見でゴルフに対するさらなる尊敬を示したいと話したウッズに対し、それはコース内外でどのような違いとして現れるかと問うと、「熱くなりすぎないようにする」と言う。「ネガティブな感情を爆発させないように努力しようと決断した。それは同時にポジティブな反応も穏やかなものとするだろう」。これまでの派手なアクションは善悪両面とも抑えるつもりのようだ。

会見の冒頭、他のプレーヤー達に対して自分の事で質問されたことに対する謝罪をし、「今回の会見を持って今後はマスターズ、そしてこれから大会に集中させて欲しい」と願ったウッズ。「あなたがもっと厳格な私生活を送っていたら、もっと良いプレーが出来たのでは?」という問いには、「そうだと言いたい。もっと集中し、バランスを取るということを今も毎日目指している」と、厳粛に話した。

ウッズに笑顔が戻るのは、プレーすることに触れた時。「木曜日の最初のティショットをとても楽しみにしている。長い間こんな風に楽しみだと思ったことは無かったけど、また楽しいと感じられるようになってきた。それはこれまで失っていたことだった。僕はこれまで勝ってきた?戦ってきた?良くやって来た?ああ、その通り。ここ数年間で何度も勝ってきた。でも、ちっとも楽しくは無かった。何故かって?僕が関わってきたことを見てるだろう?いつも嘘をついて生きていたら、人生はちっとも楽しくない。今はそんなものは消え失せて、僕はここにいる。そして再び楽しいと思えるようになったんだ」。

タイガーが登場するとカメラを向けるパトロンは多いが、歓声は意外にも少ない

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