米国男子ツアー

「ザ・ツアー選手権」丸山速報2日目/「このゴルフ場は長すぎます」

2004/11/06 09:00

秋空が広がる晴天の下で行われた「ザ・ツアー選手権」の2日目。18番グリーン裏のテントでスコアカードをサインした丸山茂樹は微笑を浮かべて引き上げてきた。

「僕には無理です、このゴルフ場は長すぎます。調子が今一歩の中、ここまで長いと・・・このパターじゃね、勝負にならんよ。ビリ合戦だ、明日は」と、冗談交じりに言った。

結論から言うと、この日の丸山は2バーディ、6ボギー、1ダブルボギーのスコア「76」で通算9オーバーの最下位。3日目はケニー・ペリーと朝一のスタートとなる。

初日同様、幾度か中距離のバーディチャンスはあったものの、沈めることができなかった。パッティングの不安定さに拍車をかけるように、イーストレイクGCはパー70でありながら7,141ヤードと長距離ヒッターが圧倒的に有利なコース。

この日、バーディを奪った2ホールは初日と同じ比較的狙い易いパー4の3番とパー5の15番ホールのみ。ドライバーはフェアウェイを捕えるものの、2打目はピンを狙える距離ではない。事実、インコース9ホールのうちショートアイアンでグリーンを狙えたのが1ホールのみ。

481ヤードの16番パー4が象徴的だった。230ヤードを残した2打目はアゲインストの風が吹いていて、悩んだ挙句クリークで振り抜いた。それでもピン手前9メートルに落ちた。丸山は奇跡が起こったように両手を上げて天を仰ぎ、満面の笑みでクラブを投げて捨てた。

「このピンの位置で、ロングアイアンばっかりでしょ?ちょっとないよ。パターでもよくなればまだ頑張れるけどさ。ほとんど、切れるだの、切れないだの、切れるだの、切れないだの・・・」と、36パットのラウンドを振り返った。

「これで俺たちより20ヤードくらい飛ぶ奴らは7番アイアンで打てているわけだから、ゴルフにならないって。勝負にならない。もうちょっと勝負できるところを作ってくれないと」

ラウンドを振り返っているうちに、丸山はここ数年の傾向でもある「長距離コース」に対する不満も口にした。「昔はショットのクオリティーが80%重視してたけど、今は80%飛距離だもん。飛ばしたもん勝ちだよ」と、言った。

今大会で優勝争いからは遠く離されてしまった丸山。「20オーバー以内で収めればいいよ」と、冗談っぽく言ってはみたものの、考えれば考えるだけパッティングの不調によってスコアを崩したことに悔しさが滲み出てきた。「まぁ、5アンダー出てるから上手い人は上手いんだけど。皆(パットが)入っているんだもん。そこだよ、違いは」

対談中、タイガー・ウッズが1つ後ろの組で18番ホールを終えて上がってきた。スタンド席の大歓声に象徴されるように、この日のタイガーは6バーディノーボギーと絶好調。タイガーのスコアを見ながら、「何ストローク違うんだ。9(オーバー)と4(アンダー)だから15?15打差も違うんだ・・・。9と4だから13か。計算もできなくなっちゃった」と、精神的にも大分参った様子でクラブハウスに入っていった。