2010年 ノーザントラストオープン

【GDO EYE】PGAは新溝ルール問題で混乱中!

2010/02/04 10:36
会見中も苦悩の表情を見せたティム・フィンチェム

今季PGAツアー5戦目となる「ノーザントラストオープン」で、一番ホットな話題と言えば、今年から導入されたウェッジの溝規制について。1990年4月1日以前に製造された。Ping Eye2ウェッジは、1990年にUSGAと、また1993年にPGAツアーとの訴訟に勝訴した経緯がある為、新しい溝規制に合致してはいないものの、ツアーで使用することは認められている。

先週で4戦目を終えたPGAツアーでは、その4大会で218名の選手がプレーをし、その中の5人の選手がPing Eye2ウェッジを使っていた。その中に、ショートゲームの名手、フィル・ミケルソンが居たことで、事態は大きな展開を見せる。

スコット・マッキャロンがミケルソンのことを「不正だ」と非難。その後、今週に入ってマッキャロンはミケルソンに謝罪し、ミケルソンもこれを受け入れたことで2人の問題は収束。途中でPGAツアーがミケルソンのやっていることは何らルール違反ではないと弁護する場面もあった。

しかし、このウェッジを使うことが果たして良いことなのか?もちろん、ルール上は問題ないが、PGAツアーのチェアマン、ティム・フィンチェムによると、昨年までのウェッジのスピン性能を100としたら、Pingのウェッジは60。新ルールに適合したものは50という値で、約20%の違いは依然としてあるという。

パトレイグ・ハリントンは「フェアウェイからは変わらないが、ラフから打つと明らかに違いがある」と指摘。今週もPingの古いウェッジを引っ張り出してテストしており、試合でも使う可能性を否定しない。

昨夜、プレーヤーミーティングを行ったというフィンチェム。現時点では有効な解決には至っていないが、Ping社のCEO、ジョン・ソルハイムとの継続的な話し合いを通して、契約文書の変更も視野に入れているという。

頼るべきは公正の理念。そもそも、フェアウェイキープの重要性をアップさせようと目論んだルール改正だったが、その論争は未だ深いラフの中といったところだ。(編集部:今岡涼太)

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