初日アンダーパーは今季9回目 ルーキー久常涼の順応性
◇米国男子◇バレロテキサスオープン 初日(4日)◇TPCサンアントニオ オークスコース(テキサス州)◇7438yd(パー72)
風の勢いが本格的に増す前に、久常涼は「バタバタしながらスタート」した。出だし1番でバンカーからパーセーブ。2番(パー5)、3番(パー3)はいずれもカップに嫌われバーディを逃した。4番で4mを沈めてボギーを回避。前半アウトで9つ並べたパーにはそれぞれ、悔しさと安堵(あんど)が詰め込まれていた。
スコアが動いたのは後半10番。右ラフからの打ち上げのアプローチに失敗しボギーを先行したが、「難しいコースなのでボギーはいくつか出ると思った」と落ち着いていた。フェアウェイからピン右奥の狭いエリアを攻めた12番で2mのチャンスを生かしてバーディ。「風もアゲンストで奥のスペースを使おうと打ったのが、思いのほか良いショットを打ち過ぎた」と話した13番(パー3)では、30mのパットを1mに寄せてパーを拾った。
15番は右サイドのフェアウェイバンカーから、8Iで185yd先のピン手前6mをとらえてバーディを奪取。「(2打目は)ライもあまり良くなくて、とりあえずラインだけ出せればと。パターも入ってくれてラッキーなバーディ。残り4ホールで伸ばしたかったが、ちょっと残念でした」と終盤のパーの連続を悔やんだが、17番も“ナイスパー”に違いない。
2打目を砲台グリーンの奥にこぼした後、ウェッジでマウンドを使ってピンそば1mにピタリ。「たまたまでした。あまり寄る気がしなかった。セカンドも思ったように打ったつもりだったけれど、ちょっと飛んでしまった。でもしっかり攻めた結果、パーで上がれたことは良かった」と2バーディ、1ボギーの「71」のスコアに及第点を付けた。
今大会がルーキーシーズンの10試合目。直近の「バルスパー選手権」まで、初日にオーバーパーをたたいたのは2月「WMフェニックスオープン」(73)だけで、その他の試合は全てアンダーパーを記録し、予選通過圏内でスタートしている。相手は当然ながら初めてプレーするコースばかり。21歳にして順応性の高さが光る。
「風はまだ穏やかな中だったので、もう少し伸ばしたかったですけど、グリーンの感じは得意だと思うので、しっかり頑張れればいいと思います」。2日目はいっそう風が激しくなる午後のティオフ。手綱は緩めない。(テキサス州サンアントニオ/桂川洋一)