松山英樹は開始3連続ボギーで失速 体もゴルフも「良くなっていると思いたい」
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(21日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)
再び晴れ渡った空の下、最初のティショットでフェアウェイをとらえ、アイアンでチャンスを作る。想定した通りの滑り出しのはずだった。開始ホールで迎えた松山英樹の6mのバーディパットはカップの左を過ぎ、次の1mが右へそれた。「1番の3パットですべて台なしにした。返しのパットを入れられなかった時点でちょっとメンタル的にきつくなりました」
スタート時の3オーバー20位からいきなり順位を落とし、後退はこれで終わらなかった。四角いグリーンの右手前にピンが立った2番。左ラフからの2打目がグリーンにわずかに届かず、せり上がった花道で戻されて3オン2パット。3番(パー3)ではティショットをグリーン左のラフに曲げて3連続ボギーをたたいた。
中盤はアイアンショットがピンから離れるホールが続き、なかなか巻き返せず。「ピンポジションの問題でやっぱり(ピンに)打っていく自信がまだないのか、逃げてしまうところはあった」という。同組で回ったキャメロン・デービス(オーストラリア)は「65」をマーク。チャージを目指した松山が、お株を奪われる展開になった。
後半11番(パー3)で4つ目のボギー。通算7オーバーまでスコアを落としたところから、ようやくエンジンがかかった。手前から4mを沈めた14番までに2連続バーディ。日を追うごとに安定感が出たティショットが実を結び始めた。この日、1Wで第1打を放った11ホールのうち9ホールでフェアウェイをキープ。「最後の3、4ホールくらいは良くなってきた」というアイアンとも終盤にかみ合った。
全米プロは初出場の2013年から、キャリアで一度も予選落ちしていない唯一のメジャー。通算5オーバー29位の成績には満足しないが、前進も感じている。4月の「マスターズ」以降、首の痛みからの回復を目指して前週の「AT&Tバイロン・ネルソン選手権」で試運転し、今週を戦った。「ゴルフをしていなかったわりに意外とできました。痛みが多少ありながら、2週間、棄権することもなかった。徐々に良くなっていると思いたい」とポジティブな言葉を残した。
1週のオフを挟んで「ザ・メモリアルトーナメント」(オハイオ州ミュアフィールドビレッジGC)に出場し、6月15日に開幕する次のメジャー「全米オープン」(カリフォルニア州ロサンゼルスCC)が待つ。「ショットもこの2日間は安定している。距離感も戻ってきた。あとはパッティング。パターを持つだけで緊張してしまっている(笑)。良い感じに打てるようになれば、勝手に入っていくと思う」。1カ月前にオーガスタを去った時と気分はだいぶ違う。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)