そのむかし、マッチプレーで始まった/いまさら聞けない全米プロ(3)
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(18日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)
2023年のメジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」が開幕しました。男子ゴルフ界では「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」と並ぶ4大メジャー大会のひとつ。“プロゴルファー世界一決定戦”の、いまさら他人に聞けないポイントをおさらいします。
8月開催だった
まさか全米プロの会場で、寒さに震える日が来るとは…。大会初日、ロチェスター地方の早朝6時の気温は1℃。コース全体が霜に覆われ、全体の開始が1時間50分遅れました。大会は2019年から現在の5月に行われていますが、それ以前は8月の開催が恒例(2020年はコロナ禍で8月に実施)。真夏の厳しい暑さへの対策も必要でした。
ストロークプレーは1958年から
ところで、1916年に始まった全米プロは現在のような4日間72ホールの合計スコアを競うストロークプレーではありませんでした。一対一でホールごとの打数で競い、積み重ねた白星の数で勝者を決めるマッチプレー形式で始まったのです。
第1回大会の出場者は32人。1回戦から36ホールのマッチプレーを行い、トーナメント形式でタイトルが争われました。出場プロはその後どんどん増えて、1957年には128人に。プロゴルフが盛んになったことでより多くの選手が参加できる競技方式が求められ、翌年ストロークプレーが採用されるようになったのです(現在は156人が出場)。
ちなみに近年は“ゴルフの起源”とも言われるマッチプレーがエリートレベルで減少中。日程消化の問題や、スター選手が必ずしも最終日まで残る保証がないことから、大会スポンサーや放送局などが敬遠する傾向にあります。PGAツアー(米国男子ツアー)でも唯一のマッチプレーだった試合(WGCデルテクノロジーズマッチプレー)がことし3月の大会を最後に消滅します。
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