2300円の缶ビールは“値下げ”も…松山英樹&比嘉一貴は極寒の最終調整
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(17日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)
1年前、話題になった場内のビールの価格はわずかに値下げされた。25オンス(約740ml)缶が昨年の18ドルから17ドルに。円安の影響で、円建てでは当時の約2300円から2330円になってしまってはいるのだが…。
しかしながら開幕前日、ビールの陳列棚よりもホットコーヒー売り場が混雑したのには別の理由があった。ロチェスターの気温は午前8時の時点で6℃。体感温度はもっと低い。松山英樹と比嘉一貴は冷たい風を浴びながら最後の練習ラウンドを行った。
前日のイン9ホールに続いて、アウト9ホールを一緒にプレー。凍えるような寒さに反して、最終調整は熱を帯びた。深いラフ、前日よりも少し硬くなったグリーン、深いバンカーからの処理など確認すべきことはいっぱい。
コースは前回当地で行われた2013年大会から改修され、再設計された5番(パー3)と6番は10年前に出場した松山にとっても初見だった。とくに6番はフェアウェイを斜めに横断するクリークが設けられ、第1打、第2打ともにペナルティエリアのプレッシャーが増幅。グリーン周りまでチェックに長い時間を費やした。
初日のティオフに向けた調整を進めながら、比嘉はこの日も積極的に松山にアドバイスを請うた。とくに深いラフからのチッピングは、スタート前の練習からウェッジの使い方について話し合い。インパクト前後のヘッドの使い方を教わっているようで、片手の素振りを繰り返す。最終9番では自らスマートフォンを取り出して、先輩のスイングを動画に収めていた。
今回初めて全米プロに挑戦する比嘉と同様、思えば松山の本大会デビューの会場もオークヒルCCだった。プロ1年目の夏場、主戦場を日本ツアーからPGAツアーに移すべく、スポット参戦を重ねて英国、カナダ、米国で5連戦。4戦目だった全米プロで19位に入り、年間獲得賞金のボーダーラインを超えて、翌シーズンの本格参戦を決定づけた。
「前回は最終日に良いスコア(66)を出して良い思い出があったけれど、そういう印象はなくした方が良さそう」と様変わりしたコースを見て、松山は思う。当時は8月開催で暑さも敵のひとつだった。今週は再び冷え込む日がある予報。イメージを一新してスタートする。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)