松山英樹は痛みに耐えてイーブンパー「粘ることできた」
◇米国男子プレーオフ第3戦(最終戦)◇ツアー選手権 初日(25日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7346yd(パー70)
継続中の選手として最長の9年連続で最終戦にたどり着いた松山英樹は3バーディ、3ボギーの「70」で第1ラウンドを終えた。フェデックスカップポイントランキングに応じて、スタート時のスコアに差があるストローク戦。2アンダー15位でティオフし、通算2アンダーのまま22位で滑り出した。
開幕前日までとは違う様子が確かにあった。朝の練習から首を気にする仕草を見せ、出だし1番の1Wショットからスピードを落としたようなスイング。前週の「BMW選手権」で時折、手をやっていた首の左側ではなく、この日は右側を何度か触っていた。「先週はなかったもの、きのうまでなかったものが、きょうの朝、起きてあった」という。強い雨を浴びた前半5番で1Wショットを大きく右に曲げてボギーが先行した。
コースは今年、悪天候でグリーンが軟らかい。松山は直後の6番(パー5)から2連続バーディを取り返したが、その後はパッティングに苦労した。9番(パー3)で3パットボギー。続く10番で3m弱のチャンスをものにできなかった。フェアウェイから右サイドに立つピンを狙った14番の2打目は右に曲がり切らず、12mから再び3パットボギーにした。
「もったいないボギーもありながら、よく耐えたというのが何ホールかある」と、特に言えたのは低迷ムードが漂った終盤だった。1Wショットで顔をゆがめた16番、ボールはバンカー縁のラフに埋まり、2打目は足場が砂、5Wで野球のバットを振るようにスイング。残り160ydからの3打目はピンから大きく左にそれたが、「超ラッキー」と8mのパーパットをねじ込んだ。
続く17番でも1Wショットを大きく右に曲げながら、林からスライスさせてガードバンカー越えの2オンに成功し、3m残したパーパットを入れた。最終18番でこの日9回目のフェアウェイキープとして、バーディフィニッシュ。「7番くらいから良い感じで打てていたが、後半になって練習していない分、忘れることが多々あって、大変な感じでしたけど、粘ることができた」と我慢の18ホールを振り返った。
痛みについて「たぶん“寝違え”だと思う。きのうたくさん、しっかり練習できたのでその影響もあるのかな」と説明した。首位のスコッティ・シェフラーとの差は8打から13打に広がったとはいえ、まずは「ちょっと痛かったですけど、18ホールできた」ことを喜んだ。「最後にバーディを獲れた。あしたはスタートから良いプレーができるようにしたい」。ホールアウト後すぐに駐車場に向かったのも、残り3日間を見据えるからだ。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)