「スコアは国家機密」…ゴルフ外交でも辣腕 安倍晋三元首相
2022/07/09 07:53
8日に奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相は、ゴルフ愛好家のひとりでもあった。2017年には当時のドナルド・トランプ米大統領、男子プロの松山英樹とラウンドをともにするなど“ゴルフ外交”も注目された。
首相在任中の2017年2月、日米首脳会談後にフロリダのトランプ氏所有のコースでプレー。同年11月には当時世界ランキング4位だった松山も交え、21年の「東京五輪」の会場にもなった埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部を3人で回った。19年には青木功との3サムで、千葉県の茂原カントリー倶楽部でのプレーを楽しんだ。
前大統領とのゴルフ外交は通算5回に上った。安倍氏はかつて祖父の岸信介元首相から「目の前でホールを外して悔しがるアイゼンハワーの姿を見て、2人の距離は急速に縮まった」との話を聞いたという。当時の岸首相とアイゼンハワー大統領がそれぞれの側近とペアマッチを楽しんだ逸話は、戦後の日米友好構築を表すエピソードでもある。
河北新報の報道によると、今年4月に福島県郡山市で開かれた自民党のセミナーでは、トランプ前大統領とのゴルフを通じた関係に言及し「あれだけ仲が良かったら(日本が攻撃を受けた場合は)米国は絶対に報復するだろうと(他国は)思う。ゴルフは抑止力のためにやっていた」と述べた。
山梨県の富士桜カントリー倶楽部、富士ゴルフコース、鳴沢ゴルフ倶楽部は静養中にプレーするお気に入りのコースとして知られる。プロゴルファーも訪れる近郊の河口湖町内のハンバーガー店にも足を運んでいた。ベストスコアは「79」との情報もあるが、ゴルフ外交の後には「スコアは国家機密」と冗談めかして話していた。