タイガー・ウッズが「マスターズ」をティオフ 事故から1年2カ月ぶり

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日（7日）◇オーガスタナショナルGC（ジョージア州）◇7510yd（パー72）

昨年2月の自動車事故で重傷を負ったタイガー・ウッズは7日午前11時4分（日本時間8日午前0時4分）にティオフし、過去5勝を誇る「マスターズ」で戦列に復帰した。ツアー競技への出場は2020年11月のマスターズ以来。事故から復帰までの1年2カ月を振り返る。

■2021年2月23日 事故当日

―何が起きた？
早朝にカリフォルニア州ロサンゼルス郊外で自動車を運転中、単独事故を起こして横転。乗っていたSUVは前部が激しく破損し、ウッズはフロントガラスを取り外して救出され近隣の病院へ搬送された。事故直後も意識ははっきりしていたが、右足を複雑骨折して緊急手術を受けた。

―事故原因は？
事故現場は急坂が続くカーブで、地元では危険な道として知られていた。地元当局による捜査で、ウッズは制限速度を超過する時速135～140キロで運転したことが判明。ブレーキ痕はなかったが事故直前にはアクセルが99％踏み込まれた状態となっており、ブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性が高い。アルコールや薬物の影響はなかった。

■3月16日 退院・自宅療養を発表

公式ツイッターを通じ、「自宅に戻り、回復していることを報告できてうれしい」と発表。2月末には搬送先の病院（トーランスのハーバーUCLAメディカルセンター）から、ダウンタウン近郊の大型総合病院（シダーズシナイメディカルセンター）に転院。3月からは自宅での治療とリハビリをスタートした

■4月23日 松葉づえ姿を公開

事故からちょうど2カ月後、自身のSNSで「信頼できるリハビリのパートナー、良き友がいる」というコメントとともに松葉づえ姿でゴルフ場に立つ写真を公開した。退院後もリハビリを続けながら、しばらくはベッドの上での生活が続いていた。

■11月21日 ショット練習の様子を公開

黒の短パン姿で右足にはサポーターを装着、ゴルフ場内の練習場とみられる場所で、アイアンを打つ動画を自身のSNSにアップした。コメントには「進歩している」(Making progress）の文字。10月には息子のチャーリーさんの練習を眺めながら、支援器具なしで自力で立つ写真がファンに撮影された。

■11月30日 ホスト大会で公の場に登場

主催する「ヒーローワールドチャレンジ」（ツアー外競技）の開幕前、事故後に初となる記者会見を行った。事故直後は右足を切断する可能性があったことを明かした。「いつツアーレベルでプレーできるかは分からない」としながら、「セントアンドリュースでプレーをしたい」と2022年「全英オープン」への出場意欲を語った。

■12月18日 「PNC選手権」でプレー復帰

2日間にわたって開催されたツアー外競技の「PNC選手権」に、息子のチャーリーさんとタッグを組んで出場。これが事故後では初の“実戦”となった。カートを使用しながら回り切って2位でフィニッシュ。「今年の初めは、あまり良いスタートではなかった。でも、息子と一緒にプレーできるこの機会を得たこと、この思い出ができたことは、僕ら2人にとって全ての苦難が報われた」と苦難の年を笑顔で締めくくった。

■2022年2月19日 チャンピオンズディナーのすしに期待

自身の財団が運営する「ジェネシス招待」のテレビ中継にゲストとして登場し、マスターズの大会期間中にオーガスタナショナルGCを訪れる考えを示した。「PGAツアーには戻ってくるが、いつかは分からない」と実戦復帰には言及しなかったが、「素晴らしいディナーになるはずだ。どんな“すし”が食べられるかはわからないけど」と松山英樹がホスト役となるチャンピオンズディナーに出席する意向を明らかにした。

■4月5日 マスターズでの復帰意向を表明

マスターズ開幕2日前の公式会見で「現段階ではプレーするつもりでいる」と明言した。「ゴルフに関して肉体的な心配はない。ただ、今は歩くことが大変。72ホールは長い道のり。タフなチャレンジになる」と話した。開幕前日は午前中にジャスティン・トーマス、フレッド・カプルスと練習ラウンドを行い、最終調整を終えた。