金谷拓実 数字が証明するWGC“トップ10入り”
◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー 4日目(26日)◇オースティンCC(テキサス州)◇7108yd(パー71)
プロ転向後初のマッチプレー、初出場のWGC(世界ゴルフ選手権)をベスト16で終えた。金谷拓実は決勝トーナメント1回戦でコーリー・コナーズ(カナダ)に5&3で敗戦。準々決勝進出を逃し「チャンスをもうちょっとつかみたかった」と悔しがった。
グループリステージを突破した好調選手同士の争いで、金谷は主導権を握られた。2番から2連続バーディを決めたツアー1勝の30歳に対し、3番までに2ダウン。6番(パー5)は2mのバーディパットを外してアップを奪えず、続く7番(パー3)の3パットでさらに後退した。
ショットがさえたコナーズに「(自分が)ああいうミスをしているようじゃまだダメ」。7mのバーディパットを決めた後半10番が唯一奪ったホール。「コーリー選手も良いプレーをしていた。自分が良いプレーをできなかったのでしょうがないかなと思います」。ドーミーホールとなった15番で3打目のチップがカップに入らなかったのを見届けると、帽子を取ってコンシードした。
下剋上の夢は志半ばでついえたが、残した数字は堂々たるもの。出場64人が3マッチを戦ったグループステージ。全ホールの平均飛距離286.5ydは全体63位に沈んだ一方で、フェアウェイキープ率81.57%(31/38)は2位だった。パーオン失敗ホールでのパーセーブ率、84.21%(16/19)は4位、さらにグリーン周りからのチッピングなどによるスコア貢献(ストローク・ゲインド・アラウンド・ザ・グリーン)は「+5.802」のトップで終えた。
決勝トーナメントでベスト8進出を逃した8人には、9位タイの成績が残る。WGCでのトップ10入りでフェデックスカップポイント68.25pを得て、来季のPGAツアー出場権獲得に前進。欧州ツアー進出へも好材料だ。
ホールアウト直後はそんな収穫にも満足はいかない。「来週、再来週とまだあるので、そこでまた良いプレーができるようにしたい」。あす以降にガレス・ジョーンズ・コーチと合流し再調整を図る予定。5日後に始まる「バレロテキサスオープン」(テキサス州TPCサンアントニオ)、翌週の「マスターズ」(ジョージア州オーガスタナショナルGC)へ気持ちを早くも向けた。(テキサス州オースティン/桂川洋一)