2022年 ザ・プレーヤーズ選手権

相棒が“無期限休養” ポール・ケーシーはダブル快挙にあと一歩

2022/03/15 09:04
16番ホールで競技委員と話すケーシー。左はキャディのシャノン・ウォリス氏(Sam Greenwood/Getty Images)

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(14日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7256yd(パー72)

初日のスタートホール10番、ポール・ケーシーはいきなりトリプルボギーと大きくつまずいた。“トリ開幕”でトーナメント優勝なら2003年以降のPGAツアーでは史上初だったが、2打差3位でフィニッシュ。イングランド勢として初となる第5のメジャーのタイトルに届かなかった。

一時は5人が首位に並ぶ大混戦。バーディが欲しい16番(パー5)で不運に見舞われた。同組のキャメロン・スミス(オーストラリア)が大きく1Wショットを曲げた後、ケーシーの完璧なティショットはフェアウェイをとらえた。しかし、ボールは自分が作ったピッチマークではない小さな穴に埋まっていた。

「きょう一番のドライブだったんだけどね…」。努めて冷静に振り返ったが、悔しさがにじむ。レイアップして、120ydほど飛ばすのが精いっぱい。最後のパー5で伸ばせなかったことが響いたが、「驚異的なプレーをしたキャム(スミス)に脱帽だ」とチャンピオンを称えた。

今週バッグを担いでいたのは、6年ほどコンビを組んできたジョン・マクラーレン氏ではなかった。「燃え尽き症候群みたいな感じだと思う。毎回飛行機でロンドン(の自宅)に戻るストレスだったり、新型コロナの陽性反応が出てホテル療養になるリスクだったり、いろいろあるはず。戻ってくるかもしれないけど…」。無期限休養を決めた相棒を思いやり、説得も思いとどまったという。

バッグを預けたシャノン・ウォリス氏への敬意も忘れない。普段はヨナス・ブリクスト(スウェーデン)をサポートするベテランについて「素晴らしかった。僕はジョニー(マクラーレン氏)と人を比べたりしない。みんな違うんだから、キャディを比較するなんてアンフェアだと思う。でも、シャノンはすごく良いキャディなんだ」

3日後に始まる次戦「バルスパー選手権」(イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース)は2018、19年と連覇を飾った舞台。44歳は、まだまだ老け込むつもりはない。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/亀山泰宏)

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