小平智は“二刀流”で目指す下剋上「初心に戻って」

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 事前（12日）◇ワイアラエCC（ハワイ州）◇7044yd（パー70）

「一流の選手を見て、肌で感じるのが一番刺激を受ける。テレビで見るより、気持ちの面でも、技術の面でも一番いい。刺激をもらうことはいい経験です」。2022年初戦をハワイで迎える小平智は昨年、PGAツアーの出場権を喪失。今季は米下部コーンフェリーツアーとスポット参戦するPGAツアー双方の道から復帰の可能性を探る。

PGAツアーでの今季の出場資格はフェデックスポイントランキング126位以降の25名が得られる限定的なもの（小平は150位）。主戦場は下部ツアーにはなるが、シーズン末に賞金ランキングで25位以内に入ればPGAツアー復帰が可能。また、今大会のようなPGAツアーの数少ない出場試合で活躍し、ポイントランクで125位以内に入ることでも道は開ける。

「こっち(PGAツアー)でいい成績を残せれば、それもあり。“二刀流”みたいな感じで、両方取れれば。出られる試合は出る」

今週も当初はスポンサー推薦での出場が決まっていたが、最終的にはランキング資格での参戦となった。「初心に戻って、下から上にいくのが自分の性には合っている。地道に頑張っていきたい」

ハワイには先月半ばに降り立った。出発するに頃は今大会に出場できるかも分かっていなかった。異例の早期現地入りを「アメリカ本土に行くのに一度こっちで体調を調えて行こうかなと。チャンスある試合だなと思っていたので、いいスタートダッシュを切れればなという思いでこういうスケジュールにした」と説明する。

昨年後半から取り組んでいるスイング改造も「自分のものになりつつあるというか、だいぶ感覚が良くなってきた」と好感触がある。これまで6回出場して予選2日目にカットされたのは1回だけ。「スタートダッシュを切れるように、まずは予選通って上位争いしたい」。米国でトロフィーを手にした男が、復活に向けて下剋上をはかる。(ハワイ州ホノルル／石井操)