脳裏に刻む“品の良いフェード” 中島啓太はコリン・モリカワと念願の練習ラウンド
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 事前(19日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC (千葉県)◇7041yd(パー70)
日本でのPGAツアー初開催となった2019年大会で中島啓太(日体大)は一人のギャラリーだった。タイガー・ウッズもロリー・マキロイ(北アイルランド)もいるコースで、当時19歳の感性が発揮される。「年代の近い選手を見よう」。売り出し中の若手だったコリン・モリカワとマシュー・ウルフに狙いを定めた。
特に体格も大きくは変わらないモリカワ(中島が身長177㎝、モリカワが175㎝)は、同じフェードヒッターでもあった。「3番のパー3ですごいフェードを見て、鳥肌が立ったのを覚えています」。ウッズに憧れて始めたゴルフ。目標とする選手像が明確になった瞬間だった。
2年ぶりに日本へ戻ってきた大会にアマチュアとして初めてフィールドに名を連ねた。使用するクラブメーカーの縁もあり、メジャー2勝など世界トッププレーヤーの仲間入りを果たしたモリカワと練習ラウンドをともにする機会に恵まれた。
「これが君のスタートラインだ。これから頑張って」。PGAツアー初出場の“門出”を激励され、「そういうことを(サラッと)言えるのが、カッコいいなと思いました」と思わず笑みがこぼれる。その後も英語が少し話せること、アイアンにカーボンシャフトを挿していることなど、メジャーチャンピオンの側から興味を持って質問してくれたという。
至福のイン9ホールの中でも、最終18番のティショットに目を見張った。左ドッグレッグのコースなりにドローを打とうとして左の林に入れた中島に対し、モリカワは左のコーナーにあるバンカー目掛けてフェードを打ち、フェアウェイを捉えた。
「あのティショットだけでも、まだ自分は甘いのかなと勉強になりました。持ち球をもっと磨いて、コリンさんのような“品のある”フェードボールを極めていけたらと思います」。充実感でいっぱいになっても、夢見心地なのは練習ラウンドまで。「PGAツアーで周りの選手も変わりますし、ギャラリーもたくさんいらっしゃる。集中して自分のゴルフをやり抜きたい」と表情を引き締めた。(千葉県印西市/亀山泰宏)