カギは“バランス” 松山英樹は7打差をあきらめない
◇米国男子◇フォーティネット選手権 3日目(18日)◇シルバラードリゾート&スパ (カリフォルニア州)◇7123yd(パー72)
フラストレーションがたまりそうなスコア展開のようで、松山英樹は逆転の望みを捨てなかった。「本当に良いプレーができれば、まだチャンスのある位置。自分のベストを出せれば」。前半の4連続を含む5バーディ、4ボギーの「71」。17位から通算7アンダーの32位に後退し、首位との差が7打に広がっても、逆転をあきらめなかった。
日に日に硬くなるフェアウェイとグリーンの影響も相まって、序盤はティショットに苦しんだ。「ある程度、想定をしていた」と2番(パー3)でボギーを先行。2打目をラフから打ち続け、左サイドからピンそば1mにつけた6番で最初のバーディを決めた。
続く7番(パー3)では第1打をピンそば1mに、8番は1m強の下りのパットを繊細に沈めた。さらに5Wでグリーンの左まで運んだ9番(パー5)も獲って4連続とした。
勢いが突如止まったのは1桁順位が迫った後半10番。フェアウェイから残り143ydの2打目が一番奥の面に切られたピンのすぐ向こう、グリーンを越えてラフにこぼれた。「(風は)フォローでグリーンが硬くなっているのも分かっていた。(ピンの)5ydから10yd手前に落とすつもりだったが、ピン横までキャリーで行ってしまったのが流れを大きく変えた」。痛恨のボギーは追う立場として攻めた結果でもあった。
松山はその後のスコアづくりにも苦言を呈す。11番(パー3)はバンカーから、12番は手前38ydからのアプローチを“OK”に寄せてパーセーブ。「“これから”というところで、ボギー(13番、15番)を打ってしまった」のが悔しい。予選2日間で握ったマレット型からスイッチしたピン型パターの感触も、いまひとつ把握できないまま、パー5を2つ含む上がり3ホールでパーを並べた。
反省は尽きないが、ショットについて「悪い原因は何となく分かっている気がする。それが修正できるかどうかで今後の戦い方も変わってくると思う」と意欲的に言った。「ティショットが悪い分、ショートゲームが良かった。アイアンとロングゲームのバランスが取れていない。それが取れるようになったら…というところ」
最終日に9打差を追いつき、プレーオフに持ち込んだ「WGCフェデックスセントジュード招待」は1カ月半前のこと。目は離せない。(カリフォルニア州ナパ/桂川洋一)